複数のデータ提供サイトによると、米ドルを裏付けとするステーブルコインのテザー(USDT)約5億ドル(約545億円)分が6日に仮想通貨市場に流れ込んだ。7日の仮想通貨相場急騰の一因と考えられたが、テザー公式サイトのアーカイブ情報によると時価総額増加は垂直的なものではなかったことが明らかになった。

(出典:TradingView「テザー(USDT)の時価総額」)

Trading Viewによると、テザーの時価総額は、日本時間6日の午前7時30分ころから1時間30分ほどで時価総額が5億ドルほど増加した。

ビットコインはこれを受ける形で急騰。1ヶ月半ぶりの8000ドル台に迫っている。

テザーの発行量とビットコイン価格には深い相関関係があると指摘されている。また、テキサス大学のグリフィン教授らは2017年末のビットコインバブル相場はテザーによるビットコイン購入によってもたらされたと主張している。

また、ビットコインに先駆けてXRPも急騰。24時間で10%以上上昇した。現在は0.22ドル付近で取引をしている。

XRP急騰の背景には、バイナンス先物取引所によるXRP /USDTの無期限契約(Perpetual Contract)発表があると考えられている。

訂正・追記

Traiding Viewによると、テザー時価総額は日本時間6日の午前7時30分ころから1時間30分ほどで約5億ドル増加した。しかし、テザー公式ホームページのアーカイブ情報によると、過去数日でテザーの総資産額と負債額に大幅な変化はなかった。

また、仮想通貨データ提供サイトのコインマーケットも、Trading Viewと同様にテザー時価総額の急激な増加を示していた

テザー社のパオロ・アードイノCTOも、テザーの急激な発行量増加を否定している

このため、7日の仮想通貨相場高騰の背景にテザー時価総額の急激な増加があるというシナリオは崩れた。以前の記事では、Traiding Viewやコインマーケットキャップに基づいて、テザー時価総額の急激な増加が仮想通貨相場高騰の背景にありそうだと報じていた。

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