分散型技術など最新技術について情報発信をするコインモンクスは、現在の仮想通貨相場は「2回目のテザーバブル」に突入しているというレポートを発表した。

コインモンクスは、ステーブルコインであるテザー(USDT)の現在の供給量が35億トークンと過去最高を記録する一方、各取引所でビットコインが急騰したと指摘。とりわけ5月16日付近からテザー供給量が再び増えていることに注目し、その背景にはテザーとビットフイネックスがニューヨーク州の司法長官との裁判で有利な判決を得たことがあると分析している。

(出典:Coinmonks「テザーの供給量(赤)とビットコイン価格(黒)」)

4月末にかけてテザーの供給量は右肩上がりで増加していたが、ニューヨーク州の司法長官がテザーとビットフィネックスを訴追した4月26日付近から増加がストップ。5月16日まで新たなテザーは供給されなかった。

その間、ビットコインの価格もほぼ横ばい、または微増で推移している。コインモンクスは、裁判次第でテザーの供給をストップすることを考えていたのではないかとみている。

しかし5月16日、ニューヨーク州の最高裁判所がテザーに対してビットフィネックスに通常業務以外で融資など資金供給をしないように命令。ビットフィネックスは、「通常業務以外で」という文言が入ったことを受けて勝利宣言を出していた

テザーとビットフィネックスは、CEOが同一人物であることで知られている。

5月16日における「裁判での勝利」後、テザーの供給量が再び増加し始めたとコインモンクスは指摘。現在の仮想通貨相場は2回目のテザーバブルに入っていると結論づけた。

コインモンクスは、2017年11月にもテザーの供給量増加はビットフィネックスによって悪用され、ビットコイン/米ドル価格が操作されたというレポートを発表していた。

なお、ニューヨーク州の最高裁判所におけるニューヨーク州とビットフィネックスの裁判は7月29日に再開される見込みだ