世界最大のステーブルコインであるテザー(USDT)の時価総額は、26日に500億ドルを突破した。依然として仮想通貨市場の強気さを示しているようだ。
テザーは26日に時価総額が500億ドルのマイルストーンを超えたことを報告した。テザーの時価総額、つまりテザーの供給量は、過去12ヶ月で10倍以上に増加している。3月24日には400億ドルを突破したばかりだが、約1ヶ月で100億ドル増加したことになる。
テザーは米ドルが裏付け資産となっており、1USDTは1ドルに相当する。
「500億ドルの時価総額を超えたことは、テザーにとって非常に重要なマイルストーンだ」と、テザーの最高技術責任者(CTO)のパオロ・アルドイノ氏は述べている。
「テザーの成功は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)と将来の銀行システムの青写真である。テザーが無数のプロトコルとアプリケーションにわたるデジタルトークンエコシステムにおいて現在果たしている極めて重要な役割に、私たちは本当に光栄に思っている」
USDTは仮想通貨コミュニティでユニークな位置を占めている。はじめて発行されたステーブルコインとして、USDTは現在、市場で最も流動性が高く、広く使用されているドルペッグトークンだ。いくつかの取引所で、USDTはビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の取引ペアとして最も利用されている通貨の1つだ。
記事執筆時点で、USDTはステーブルコイン全体で66.1%のシェアを占めている。次に大きなステーブルコインであるUSDコイン(USDC)は、時価総額は約110億ドルだ。
ステーブルコイン発行において、その準備金が本当にあるかどうかが大きな争点となる。仮想通貨界隈の一部からは、テザーの問題が仮想通貨コミュニティにおけるFUD(恐怖、不確実性、疑惑)の主な原因だと指摘する声がある。テザーは、ケイマン諸島に拠点を置くムーア・ケイマンによる保証によって、USDTトークンが100%裏付けられていると主張している。
今年2月、テザーとニューヨーク州司法当局との間で和解が成立した。この和解では、テザーが1850万ドルの罰金を支払うとともに、今後準備金に関する報告書を定期的に提出することとしている。