テザーの銀行パートナーであるブリタニア・ファイナンシャルが、テザーからの多額の預金に関連するとされる収益性資産の全額を支払わなかったとして訴訟に直面しているという。
フィナンシャルタイムズの報道によれば、英領バージン諸島に登録されているアービトラル・インターナショナルが、テザーからの10億ドル（約1476億円）の預金についてブリタニアを訴えた。
訴訟は、バハマに拠点を置くアービトラルの証券会社アービトラル・セキュリティーズをブリタニアが買収したことに関連している。ブリタニアは2021年10月に買収を発表し、この証券を自社のブリタニア・セキュリティーズに統合した。
新たな報道によれば、ブリタニアとアービトラルは、アービトラル・セキュリティーズが売却後1年間保有する収益性資産の数に基づいて、ブリタニア・ファイナンシャルが追加の金額を支払うことに合意した。この合意には、アービトラルまたは関連当事者が元々紹介したクライアントも含まれるとされている。
裁判所文書を引用したFT記事によれば、テザーは2021年11月にブリタニア・ファイナンシャルの子会社に口座を開設したという。ブリタニア・ファイナンシャルは、アルド・マゼラ氏という「プロフェッショナルな紹介者」によってテザーに紹介されたとされている。マゼラ氏は、2017年頃からテザーと商業的な関係を持っていたと考えられている人物だ。一方、アービトラルは、アービトラル・セキュリティーズの幹部もブリタニアとテザーのパートナーシップに関与していたと主張している。
このニュースの数か月前には、テザーがバハマに拠点を置くプライベートバンクであるブリタニア・バンク・アンド・トラストを自社プラットフォームのドル送金処理を行うために追加したとブルームバーグが報じている。他の銀行パートナーには、デルテック・バンクとキャピタル・ユニオン・バンクが含まれているという。
テザーの最高技術責任者で新CEOのパオロ・アルドイノ氏は以前、テザーが7つ以上の銀行と強い関係を持っていると主張していた。
テザーとブリタニア・ファイナンシャルは、コインテレグラフのコメント要請に対してすぐには応答していない。
テザーのステーブルコインUSDTは、市場で着実に勢いを増している。CoinGeckoのデータによれば、時価総額は900億ドルに接近している。11月20日にUSDTの価値は新たな高値である880億ドルに達し、2023年の初めから33％増加した。
テザーによれば、USDTは2023年に現物型ビットコインETFの承認可能性に対する市場の期待や、ブラジルなどの新興市場での需要増加など、2つの主要な要因により、時価総額を200億ドル以上増やしている。テザーの記録的な成長は、同社によれば、新興市場での需要増加により牽引されている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン