テザー社は、ドイツの仮想通貨マイニング企業であるノーザンデータ社への投資を発表し、人工知能(AI)のプロジェクトを後押しする意向を示した。
9月21日のブログ投稿で、テザー社は子会社であるダムーンを通じたノーザンデータ社への戦略的投資は、「新興技術のサポートへの決意を示すもの」としており、AI、ピアツーピア通信、データストレージソリューションに関する協力が示されている。同社はフォーブスが報じた420億ドルの投資額に関して否定したが、コメントを求められた際に具体的な金額を明らかにはしていない。
7月、ノーザンデータ社はテザーとダムーンの買収で合意に達したと発表した。この取引において、ステーブルコインの発行者であるテザーは「最新世代のGPUハードウェアを取得するために必要な資金を、買収完了前にダムーンに資本注入することに合意」した。テザーの最高技術責任者であるパオロ・アルドイノ氏は、この投資を「新しい技術的フロンティアへの新たな取り組み」と表現した。
Tether Makes Strategic Investment into Northern Data Group - Set to Become the Biggest Independent AI Player in Europe
— Tether (@Tether_to) September 21, 2023
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テザーはこの投資が「(同社の)準備金とは別のもの」であり、顧客の資金に影響を与えないと主張している。同社は以前、米国でその準備金に関する十分な透明性がなかったという告発を受け、法的措置を受けることとなり、USDTの裏付けに関する報告を提供するよう命じられたことがある。
時価総額で最も大きいステーブルコイン発行者として、830億ドル以上の評価を持つテザーは、アルゼンチンのクリプトンマーケット(KriptonMarket)との提携から、ジョージア政府とのピアツーピアインフラの開発を支援するための覚書の署名に至るまで、多くの投資を行っている。8月には、アルドイノ氏が、同社のマイニングオペレーションの一部はラテンアメリカに拠点を置いていると明らかにした。