世界最大のステーブルコイン発行企業であるテザーが2025年第1四半期の決算を発表し、同社の資産における米国債のエクスポージャーが約1200億ドルに達し、営業利益が10億ドルを超えたことが明らかになった。

2025年Q1の報告書によれば、テザーは直接保有する米財務省短期証券(T-bills)が985億ドルに上り、さらにレポ取引や現金同等物を通じた間接的な保有額が230億ドル以上ある。

Tether’s Q1 2025 financial report. Source: Tether

発表によると、テザーは自社が発行する米ドル建てステーブルコインUSDTに対して、56億ドル上回る準備資産を保有している。これは前四半期の71億ドルから減少したものの、依然として安定した水準を維持している。USDTの時価総額は、5月1日時点で1490億ドルに達している。

「USDTの流通供給量は第1四半期に約70億ドル増加し、ユーザーウォレットは4600万件増加した」と報告書は記している。

テザーは引き続き、余剰資本を活用して戦略的な投資を実施しており、再生可能エネルギー、人工知能(AI)、ピアツーピア通信、データインフラなどの分野に対し、累計で20億ドル以上を投じている。

ステーブルコイン市場は全体として、米ドルに連動するトークンが支配的であり、テザーのUSDTとサークルのUSDCが市場全体の87%を占めている。米財務省の報告書によれば、ドル連動型ステーブルコインの時価総額は2028年までに2兆ドルに達する見込みとされている。

一方、欧州連合(EU)当局者の間では、ドル連動型ステーブルコインへの過度な依存に対する懸念が高まっている。イタリア銀行は、ステーブルコイン市場やそれを裏付ける債券市場で混乱が生じた場合、「グローバルな金融システムの他の分野にも波及する可能性がある」と指摘している。

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