テルアビブ証券取引所(TASE)は、ブロックチェーン技術を活用した「初の」証券賃借プラットフォームを開発した。16日にプレスリリースで発表した。この新プラットフォームは、イスラエルのフィンテック企業ザ・フロア、アクセンチュア、インテルの提携により実現した。
同取引所は、ブロックチェーン証券賃借(BSL)と呼ばれる1つの中央プラットフォームを作成し、「すべての主要な金融商品において直接賃借を可能にすることで」イスラエルの証券賃借市場に革命をもたらすことを目指している。プラットフォームは、証券賃借を行うすべての事業者のための「ワンストップ・ショップ」として設計され、これまでよりも短期間で大量の証券取引が可能となる。
TASEはブロックチェーンを採用することにより、P2Pの直接取引や、スマートコントラクト、高いセキュリティ性能などの利点を生かして収益化を図る。
このプラットフォームは、インテルのソフトウェア・ガード・エクステンション(インテルSGX)技術を用いてデータを暗号化するハイパーレッジャー・ソウトゥースを基盤とする。アクセンチュアは、ハイパーレッジャー・ソウトゥースの主要な特徴の一つである、プラットフォーム上のスマートコントラクトの開発に取り組む。
インテルのソフトウェア&サービス・グループの担当副社長を務めるリック・エシェヴァリア氏は、金融サービス市場におけるブロックチェーンの重要性を指摘し、インテルは「ブロックチェーンによりビジネスプロセスを変えられると考えている」と述べた。一方、アクセンチュアは「ブロックチェーン技術の導入を加速化する」ソリューションの開発に取り組んでいるとしている。
このプロジェクトは、最初の概念証明(PoC)の実施が成功した後に、本番環境で導入される。
TASEでは主に、T-35、T-125、TAブルーテック・インデックスが取引の指標に用いられており、取引所の時価総額は2120億ドルに達する。
伝統的な金融機関は、ブロックチェーンがビジネスプロセスにもたらす利点を認識しはじめている。先月、ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)は世界で初めてブロックチェーン技術を活用したローンを実施した。同行は、条件交渉から署名に至るまでの全体のプロセスを共通分散型台帳上で行い、7500万ユーロの融資に要した交渉時間を「日単位から時間単位」に短縮できたと主張した。
最近では、ロシア最大手銀行スベルバンクのコーポレート&インベストメント・バンキング部門のスベルバンクCIBが、ブロックチェーンを活用した社債の取引をロシアで初めて実施した。同行はスマートコントラクトを用いた社債の発行を体系化するとともに、ハイパーレッジャー・ファブリック1.1を基盤としたブロックチェーン・プラットフォーム上で取引を実施した。