オーストラリアに拠点を置く仮想通貨取引所Swyftxは、合計90名のスタッフを解雇した。これは、FTXの影響による「最悪のシナリオ」に備えるためであると述べている。

Swyftxの共同CEOであるアレックス・ハーパー氏が12月5日に発表した。FTXへのエクスポージャーはないものの、同社は破綻した取引所の影響を「免れない」と指摘し、次のように付け加えている。

「その結果、来年上半期に世界の取引量がさらに大きく減少するという最悪のシナリオや、ブラックスワン的な事象がさらに発生する可能性にあらかじめ備えておく必要がある」

Swyftxの広報担当者はコインテレグラフに対し、35%の人員削減は取引量の減少を見越したものでもあると述べている。

「2023年前半に世界の取引量が急減する可能性があり、FTXの破綻による余震がさらに続くことを想定して、従業員を解雇した」と広報担当者は述べた。

ハーパー氏は発表の中で、長引く仮想通貨の冬を乗り切るために厳しい決断が必要だったと述べている。

Swyftxの広報担当者は、FTXの破綻によって間接的に影響を受けたにもかかわらず、同社のバランスシートは無傷であることを改めて強調し、次のように付け加えた。

「明確にしておきたいが、弊社はFTXへのエクスポージャーはない。我々は顧客資産を1対1で保有しており、顧客の資産を第三者に貸し出してはいない」

また、ハーパー氏は、同社が事業判断においてよりリスクを回避するようになること、人員削減によりバランスシートの運営コストが緩和されるとしている。

「Swyftxは強い収益を維持しているが、FTX後のリスクは負いたくないので、来年のコストについては特別に慎重になっている」と広報担当者は付け加え、セキュリティ、コンプライアンス、顧客サポートサービスなどの優先分野には影響がないともしている。Swyftxの広報担当者はコインテレグラフに対し、人員削減の影響を最も受けたのは同社の研究開発チームであると語った。

今回のスタッフ解雇は、2022年8月にも行われたレイオフに続くもだ。その時には当時のスタッフの21%にあたる74名が退職した。