国際銀行間通信協会(SWIFT)は19日、フランスのIT企業キャップジェミニと共同で、国境を越えた中央銀行デジタル通貨(CBDC)決済のテストを行うと発表した。SWIFTにとっては二度目のCBDC研究プロジェクトとなる。SWIFTは世界の銀行が国際送金に使用しているベルギーの金融メッセージングネットワークだ。

両者は複数のCBDCネットワークをつなぐ方法を試すほか、概念実証としてCBDCと従来の通貨ネットワークとの接続もテストする。今、世界各地の中央銀行の大多数がCBDCの開発に取り組んでおり、「多数の中央銀行が異なる技術や標準、プロトコルに基づいて独自のデジタル通貨を開発している」とSWIFTのトーマス・シャーチ最高イノベーション責任者は声明で述べている。

キャップジェミニの発表内容によると、同社は、CBDCの国内ネットワークがCBDCを受領・変換してSWIFTプラットフォームに転送するための「ゲートウェイ」を開発しているという。プラットフォームは、そこからさらに先の送金を行う。システムでは既存のSWIFTの標準や認証モデル、インフラが使用される。SWIFTは現在、200を超える国の1万1000以上の金融機関をつないでいる。

SWIFTは昨年、米国で専門サービスを提供するアクセンチュアと提携したが、今回の提携はその流れに沿うものだ。アクセンチュアとの提携では、CBDCネットワークと「確立された即時グロス決済(RTGS)システム」との越境取引で成功を収めた。

「今回のテストが成功すれば、異なるネットワークを連結させる能力と技術要素がSWIFTにあることが示される」

SWIFTのイノベーション責任者ニック・ケリガン氏はそう述べている。「それにより、CBDCを取り巻く技術・産業面の大きな課題の解決に寄与するだろう。そして私たちは、中央銀行がそれぞれのCBDCネットワークを越境決済に対応させるのをサポートできることになる」。