ゲーム小売大手ゲームストップにビットコインの導入を働きかけた実績を持つストライブ・アセット・マネジメントのマット・コールCEOが、今度はフィンテック企業インテュイットに同様の戦略を求めている。
4月14日、コール氏はインテュイットのササン・グダルジCEO宛てに公開書簡を送り、同社の成長を称賛しつつも、ビットコイン(BTC)こそが長期的成功の鍵であり、人工知能(AI)による事業変動への最適なヘッジ手段だと主張した。
インテュイットは、確定申告ソフト「ターボタックス」や中小企業向け会計ソフト「クイックブックス」を主力製品とする。同社は2023年7月、AI分野への注力のために従業員の10%を削減しているが、コール氏は「ターボタックスがAIによって自動化されるリスクにさらされている」と指摘し、さらなる備えが必要だと主張した。
「インテュイット自身がAIへの投資と活用を進めている点は評価するが、それでも追加のヘッジが必要だ。ビットコインの備蓄こそが最良の選択肢だ」とコール氏は述べた。
同氏はビットコインによる「備蓄」があれば、インテュイットが「AI革命という嵐の中でも戦略的主導権を保ち、強い立場で行動するための資本を確保できる」としている。
2月にもコール氏は、ゲームストップのライアン・コーエンCEO宛てに同様の提案を行い、同社が保有する46億ドルの現金でビットコインを購入すべきだと訴えた。これを受けてコーエン氏は4月1日の規制当局への提出文書で、15億ドルの転換社債発行を完了し、その一部をビットコイン購入に充てる可能性を明かしている。
ストライブ、仮想通貨規制方針の見直しも要請
コール氏の書簡では、インテュイット傘下のマーケティングプラットフォーム「メールチンプ」の仮想通貨関連アカウントに対する規制についても言及した。メールは仮想通貨関連コンテンツの送信自体を明確に禁止してはいないが、仮想通貨の販売・交換・プロモーションを行うアカウントに対しては利用制限を設けている。
コール氏はこの方針について、「ビットコイン支持者に対する差別的な検閲であり、長期的な株主価値に悪影響を与える可能性がある」と懸念を示した。
メールチンプの現行ポリシーでは、「仮想通貨、バーチャル通貨、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)に関連するデジタル資産」を提供するアカウントは、利用が制限される場合があるとしている。
コール氏は、こうした方針が「仮想通貨業界の法的地位が不透明だった時代」に導入されたと推測し、「仮想通貨に前向きなトランプ政権の下で、全面禁止を撤廃すべき時が来た」と述べた。