インターネット決済プロセッサのストライプは、顧客が取引を行うためのウォレットに仮想通貨がないことでWeb3企業が直面する「コールドスタート問題」に対処するため、法定通貨から仮想通貨へのオンランプ(交換)サービスを導入した。
5月4日の声明によると、ストライプがホストする新たな法定通貨から仮想通貨へのオンランプを利用して、Web3企業は米国の顧客に対し、ウェブサイトやアプリにコードを埋め込むことなく「必要な時、瞬時に」仮想通貨を購入できるようになる。
顧客は、法定通貨を仮想通貨に変換するリンクに誘導される。
ストライプの仮想通貨エンジニアリング責任者ギヨーム・ポンサン氏は、オンランプを利用するWeb3企業のために、変換や承認の最適化、本人確認、詐欺防止などのコンプライアンス関連業務をストライプが対応し、「顧客がWeb3サービスを迅速かつ安全に利用できるようにする」と述べた。
本人確認(KYC)やコンプライアンス要件を満たすために、詐欺検出と本人確認ツールが組み込まれているようだ。
We’re introducing a Stripe-hosted fiat-to-crypto onramp (no code required) and unlocking the waitlist for the embeddable onramp. https://t.co/U9OW2cjFrZ pic.twitter.com/jjmkDUiOqc
— Stripe (@stripe) May 4, 2023
新しいオンランプサービスの導入は、顧客が仮想通貨をウォレットに簡単にチャージできるユーザーフレンドリーな方法を提供することで、Web3企業を支援することを目的としている。声明では、「顧客が取引を行うためのウォレットに仮想通貨がないため、仮想通貨やブロックチェーンを活用した体験を提供する企業はコールドスタート問題に直面することがよくある」と述べられている。
プライバシーに重点を置いたブラウザのブレイブ、DeFi(分散型金融)プロトコルの1インチ、ブロックチェーンプロトコルのレンズプロトコルなど、いくつかのWeb3企業が既にストライプの法定通貨から仮想通貨へのオンランプを導入しているとのことだ。
ブレイブのWeb3製品担当副社長ジェームズ・マジェット氏は、このサービスによりプラットフォームが「新たなWeb3ユーザーにアプローチできるようになる」と述べた。
一方、1インチの共同創設者セルゲイ・クンツ氏は、Web2とWeb3の間に「橋を築く」重要性を強調し、ストライプのWeb3企業に対する経験が「役立つ立場にある」と付け加えた。
ウォレットガードの共同創設者オーム・シャー氏は、ストライプの新サービスが「多くの人々が容易にWeb3に参入できるようになる」と話す。ただし、シャー氏はデジタル資産の購入前に適切なデューデリジェンスを行うことが重要であると強調した。彼は次のように述べている。
「ストライプで初めてのNFT(非代替可能トークン)を購入するのはエキサイティングだが、容易に資産を失うことがあることを考慮することが重要だ。なぜなら、悪意のある署名が1つあれば十分だからだ」