ストラテジーのビットコイン(BTC)保有額が約800億ドルに達し、マイクロソフトやアマゾンなどの巨大テック企業の現金保有額に迫っている。マイクロソフトの株主は昨年12月、ビットコインを財務資産に加える提案を否決している。
ストラテジーは10月7日、「保有する64万31BTCの価値が10月6日に一時800億ドルを突破した」とXに投稿した。これはビットコイン価格が過去最高値の12万6080ドルに達したことによるもので、同社が保有するビットコインの資産規模はアマゾン、グーグル、マイクロソフトの現金および現金同等物(950億~970億ドル)に近づいた。
ストラテジーは定期的なビットコイン購入と価格上昇により、すでにエヌビディア、アップル、メタの財務資産規模を上回っている。メタは6月にビットコインを財務資産として検討する提案を審議したが、圧倒的多数で否決された。
企業の中で最大の現金保有を誇るのは、約3440億ドルを抱えるバークシャー・ハサウェイである。なお、テスラはビットコインを保有する唯一の大企業としてトップ10入りしているが、保有する1万1509BTC(約14億ドル)は総資産370億ドルのごく一部にとどまる。
「ビットコインは通貨価値毀損への対抗手段」
JPモルガンのアナリストは先週、ビットコインと金は“通貨価値毀損”への対抗手段であり、米ドルのインフレや国家債務の拡大に対するヘッジとして機能し得ると指摘した。
かつてビットコインに批判的だったブラックロックCEOのラリー・フィンク氏も、2025年1月に「通貨の価値毀損懸念が強まれば、ビットコイン価格は70万ドルに達する可能性がある」と発言している。
マイクロソフトとメタのビットコイン導入提案はいずれも、保守系シンクタンクの全米公共政策研究センター(NCPPR)副代表のイーサン・ペック氏が提出したものだ。同氏は「ビットコインは通貨の価値毀損から企業利益を守る」と主張している。
ペック氏はメタへの提案書で、「現金の価値は常に毀損されており、債券利回りも実質インフレ率を下回っている。その結果、メタの総資産の28%が継続的に株主価値を損なっている」と指摘した。
マイクロソフトとメタ、BTC高騰の波を逃す
マイクロソフトはビットコイン価格が9万7170ドルの時点でNCPPRの提案を否決し、メタも10万4800ドルで同様の提案を退けた。結果として、両社はその後のBTC高騰の波を逃し、現金保有額の実質価値がさらに目減りしたことになる。
ビットコインのボラティリティは、マイクロソフト株主が提案に反対票を投じた主な理由の1つだった。
ペック氏は、仮想通貨に友好的な資産運用会社ストライブのビットコイン担当ディレクターも兼任しており、「マイクロソフトは現金ポジションの1〜5%をビットコインに振り向けるべき」と提言している。
NCPPRは昨年12月、アマゾンの取締役会にも同様の提案を行ったが、これまでのところ進展は見られない。
企業によるビットコイン保有が急増
テック大手の提案が退けられた一方で、2025年には上場企業によるビットコイン保有が急増している。年初に100社未満だった保有企業は、現在では200社を超えた。
ビットコインは10月6日時点で過去最高値付近を推移しており、ほとんどの企業がビットコイン投資で利益を上げている状況だ。
ストラテジーは平均取得価格7万3981ドルで計64万31BTCを購入しており、評価益は304億ドルに達している。
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