株価チャートでは、ローソク足の動きによって「窓」ができることがある。窓は株価の勢いや方向性を示すサインだ。窓に注目すれば値動きを予測する精度が上がるため、株の売買タイミングを判断しやすくなる。

窓はどんなときに出現し、どのようにトレードに生かせばよいのだろうか。今回は、株価チャートの窓が出現する理由や活用方法、注意点について詳しく解説する。


株価チャートの窓とは

株価チャートの窓とは、ローソク足とローソク足の間に生じる空間のことだ。以下の図は、窓が出現した株価チャートの例だ。


出所:SBI証券 ​​前澤工業の株価チャートより作成

株価が大きく上昇したことで、ローソク足チャートに隙間が生じているのがわかる。

株価チャートを使ったテクニカル分析において、窓は株価の方向性を示す重要なサインといわれている。窓に注目すると売買タイミングを判断しやすくなり、株式投資で利益を得られる可能性が高まる。


窓が出現する理由

株価チャートの窓が出現するのは、投資家の買い注文や売り注文が殺到し、株価が大きく動くからだ。投資家が注目するような出来事が起こると、値動きが大きくなって窓が出現しやすくなる。

具体例として、以下のようなニュース・出来事が考えられる。

  • 業績の上方修正や下方修正が発表された
  • 自社株買いや業務提携が発表された
  • 新商品がリリースされた
  • 株主優待が新設された
  • 企業の不祥事が発覚した

このように、株価に影響を及ぼす何らかの材料が出たことを受けて、株価チャートに窓が出現するのが一般的だ。


窓開けと窓埋めとは

「窓開け」には上昇時と下落時の2種類がある

株価チャートの窓が出現することを「窓開け」といい、「窓が開く」のように表現する。株価上昇時に窓ができることを「ギャップアップ」、下落時に窓ができることを「ギャップダウン」ともいう。

ギャップアップの例として、前澤工業(6489)の株価チャートを見てみよう。

出所:SBI証券 ​​前澤工業の株価チャートより作成

同社は2021年7月6日に業績の上方修正を発表し、従来予想より利益が大幅に引き上げられた。また、年間配当金の引き上げや自社株買いも発表したため、投資家に好感を持たれて出来高が急増した。その結果、株価が急騰してチャートに窓が出現している。

次にギャップダウンの例として、乃村工藝社(9716)のチャートを見てみよう。

出所:SBI証券 乃村工藝社の株価チャートより作成

同社は2021年7月8日の取引終了後に決算発表を行い、連結営業利益の従来予想を下方修正した。一転して大幅減益の見通しとなったことが嫌気され、投資家の売り注文が殺到した。その結果、翌日の株価が大きく下落して株価チャートに窓が出現している。


「窓埋め」は窓を埋めるように株価が動くこと

窓埋めとは、開いた窓を埋めるように株価が動くことだ。株式投資には「埋めない窓はない」という相場格言がある。「開いた窓はいつかは埋まる」という意味だ。

株価チャートに窓が出現すると、窓を埋めるように株価が戻ることが多いため、値動きを予測する判断材料として活用できる。

先ほど具体例として紹介した前澤工業(6489)の株価チャートを見てみよう。

出所:SBI証券 ​​前澤工業の株価チャートより作成

株価が急騰して窓が開いた後、その窓を埋めるように株価が下落しているのがわかる。

続いて、乃村工藝社(9716)のチャートも確認しよう。


出所:SBI証券 乃村工藝社の株価チャートより作成

株価下落によって窓が開き、下落基調が続いていたが、その後は上昇に転じて約2か月で窓埋めが完了している。

このように、開いた窓は高い確率で埋まる傾向にあるが、窓埋めが完了するまでの期間は銘柄によって異なる。また、開いた窓は必ず埋まるとは限らない。

別の具体例として、Gunosy(6047)の株価チャートを見てみよう。


出所:SBI証券 Gunosyの株価チャートより作成

同社は2021年7月13日の取引終了後に業績予想を発表し、2022年5月期上期が大幅な赤字に転落する見通しとなった。これが投資家に嫌気され、株価が急落して窓が開いている。直近では株価がやや持ち直しているものの、2カ月以上経過しても窓が埋まらない状況だ。

このように、開いた窓が埋まることなく、株価の上昇・下落が続くケースもあるので注意しよう。


窓が出現したら何をすべき?

不用意にエントリーせず、窓が開いた要因を分析する

開いた窓は埋まるのがセオリーだが、不用意にエントリーするのはリスクが高い。株価が動いた理由によっては、窓埋めが期待できないこともあるからだ。

たとえば、上場廃止や不祥事などで株価が下落した場合、短期で窓が埋まる可能性は低いだろう。テクニカルのみで判断せず、株価の変動要因をよく見極めてから買いタイミングを探ることが大切だ。


上昇トレンドで買いを入れる「順張り」が基本

初心者が株式投資で利益を得るには、上昇トレンドで買いを入れる順張りが基本だ。それは、窓開けを利用してエントリーする場合も変わらない。

下落時に窓が開くギャップダウンの場合、窓埋めによる株価の上昇が期待できる。しかし、窓が開いたからといって下落トレンドの途中で買いを入れると、窓埋めが完了するまでに時間がかかることもある。

損失の拡大を避けるためにも、株価が上昇トレンドにあることを確認してから買いを入れるようにしよう。


初心者が窓で買い判断するなら上昇トレンド中にしよう

株価チャートの「窓開け」「窓埋め」を利用すれば、株の売買タイミングを判断しやすくなる。ただし、開いた窓は必ず埋まるわけではなく、窓埋めが完了するまでに時間がかかるケースもある。

初心者は窓が開いた理由を分析し、株価が上昇トレンドにあることを確認した上で買いを入れることを心掛けよう。


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