仮想通貨ファンドであるグレイスケールは17日、ポートフォリオに仮想通貨ステラ(XLM)を加えた発表した。スピードが遅くコストの高いSWIFT(国際銀行間金融通信協会)が支配する現在のクロスボーダー送金システムをステラが変える可能性を高く評価した。

フォーチュンによると、グレイスケールのマネージング・ディレクターであるマイケル・ゾンネンシャイン氏は、ステラ追加について「投資家の需要に応えた」と説明。クロスボーダー送金の際、通貨の橋渡しをするブリッジ通貨としての役割を高く評価し、「世界的に実用性がある」と話した。同氏は次のように続けた。

これから金融機関は世界中のあらゆる場所で(外国の法定通貨)を持つ必要がなくなるだろう。効率が良くなり、わざわざ他の用途のためにバランスシートを補強しなくて済むようになる」

ステラはグレイスケールのポートフォリオに加えられた9番目の資産。他にはビットコイン(BTC)やリップル(XRP)、イーサリアム (ETH)やニッチな仮想通貨ZENなどが含まれている。

ステラは現在時価総額第6位(引用元:CoinMarketCap)。過去24時間で2%近く上昇し、現在0.108895ドルで取引している。共同創設者でCTO(最高技術責任者)のジェド・マケーレブ氏は、同じく国際送金サービスを手がけるライバル、リップルの共同創業者であり、現在、民事再生手続き中のマウントゴックス(Mt.Gox)の創設者としても知られている。

グレイスケールは、仮想通貨投資会社デジタルカレンシーグループ(DCG)の子会社。先月は、グレイスケールのビットコイン投資信託(GBTC)の規模が、今年初めて10億ドルを下回ったというレポートが出た

グレイスケール(Grayscale Investments)とは、2013年にデジタルカレンシーグループ(DCG)によって設立された仮想通貨投資会社。創業者はCEOを務めるバリー・シルバート氏。仮想通貨のグレーゾーンを投資家と共に開拓していくことを信念に仮想通貨投資サービスを提供する。同ファンドに投資できるのは米証券取引委員会に認可された投資家(年収20万ドルまたは純資産100万ドル以上)のみとする。同社が出資するビットコイン投資信託として知られるグレースケール・ビットコイン・インベストメント・トラスト(GBTC)は有名。弱気な仮想通貨相場が続いた2018年、グレイスケールの収益は好調をみせるなど、設立から堅調な資産運用を達成している。

仮想通貨用語集

ステラとは、仮想通貨の一種。リップルのプロトコルをベースとして構築された決済テクノロジーだが、開始以来絶えず変化している。ステラは、リップルとは異なり、銀行システムや既に確立された金融機関ではなく、発展途上のマーケットと協力することを目指している。ステラはトランザクションの承認の点でビットコインとも大きく異なり、ネットワーク全体を使用してトランザクションを検証するのではなく、ステラはプール全体の一部であるクォーラムを使う。この機能により、ステラは中小企業や非営利団体、小規模な銀行、社内間取引に適したものといわれている。ステラのパートナーシップで重要なものの1つが、IBMとの提携である。IBMは南太平洋の国々のトランザクションのための回廊としてステラのネットワークを使っている。

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