スターバックスがマイクロソフト社のブロックチェーンソリューション「アジュール・ブロックチェーン・サービス」を用いることで、ユーザーがコーヒー豆の原産地を追跡できるようになった。ブルームバーグが報じた。

全米のユーザーは8月25日から購入したコーヒー豆の袋についているコードをスキャンすることで原産地がわかるようになった。ブルームバーグによると、生産地の他に焙煎地の他にバリスタからコーヒーの入れ方のヒントまでを知ることができるという。農家からも、自分たちのコーヒー豆がどのように消費者に届けられるかを知ることもできる。

スターバックスでグローバルコーヒー・紅茶・ココア事業部のバイスプレジデントを務めるミシェル・バーンズ氏は「我々は20年ほど前から、農園から購入した全てのコーヒー豆を追跡できる」と話し、「我々のコーヒーがどこから来ているのかを知ることで、お客様に信頼と信用を与え、ユーザーフレンドリーで消費者主導型の基盤を構築できる」と述べた。

コーヒー豆を生産者レベルまでさかのぼって追跡するには、課題が多い。様々な農園の豆がサプライチェーンの過程で混ざってしまうからだ。

スターバックスにとってもブレンドされたコーヒーなど、一部は国レベルまでしか追跡できないのが現状だという。ブレンド以外ではコーヒー豆が栽培された地域や特定の焙煎所までがわかる。シングルオリジンの場合には農家が追跡できるようになっている。

バーンズ氏によると、「スターバックスは取引ごとに領収書を発行しているので、業者から購入した豆も追跡できる」と話した。

今回の取り組みではスターバックスの店舗外で購入したものや、カップごとに購入したものについてはまだ利用ができない。こうした1杯ごとのトレーサビリティの提供について、バーンズ氏はブルームバーグに対し「まだ始めたばかり」と述べるにとどめた。

スターバックスは2018年からイニシアチブである「bean to cup(豆からカップへ)」を発表。コスタリカやコロンビア、ルワンダの農園と提携し、ブロックチェーンを使ったコーヒー追跡システムを開発してきた。当初の計画では普及を目的としてオープンソース化を目指していた。

 

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン