ステーブルコインの時価総額が日本時間3月13日のビットコイン急落(米時間で「暗黒の木曜日」)以降でほぼ2倍になった。コインメトリックスが最新のレポートの中で指摘した

5月7日時点でステーブルコイン市場の時価総額は100億ドル(約1兆700億円)を突破した。

ステーブルコイン需要急増の背景には様々な説が唱えられている。

新たな仮想通貨市場の強気相場開幕を見据えて「ドライパウダー(手元資金)」を準備するためという説や新型コロナによる経済危機で米ドルが不足しているため比較的安全なステーブルコインに資金の逃避が起きているという説、アジアのOTC(店頭)取引トレーダーがいつでも仮想通貨市場に入れる準備としてステーブルコインを大量に保有し始めている説などがある。

コインメトリックスによると、米ドルと連動するテザー(USDT)(イーサリアム基盤)の取引量が世界標準(UTC)時間の2時~16時に集中している。これらはアジアと欧州のマーケットが開く時間である。一方、ニューヨーク証券取引所が開く時間帯にはほとんど取引が見られない。

(出典:CoinMetrics「USDT-ETHの取引数(1時間ごと、UTC)」)

既報の通り、チェイナリシスによると、テザーの時価総額は4月29日までの12か月間で161%も増加。サークル(USDC)は191%、パクソス(PAX)は146%増えた。