ニューヨーク証券取引所の親会社であるインターコンチネンタル取引所(ICE)が、まもなくビットコイン先物を立ち上げる。仮想通貨市場の成熟化や機関投資家の参入につながるという期待が高まる一方、ここに来て慎重な見方も相次いでいる。

バックトのビットコイン先物は、現物受け渡し。決済の時、投資家はビットコインの現物を受け取るか、ビットコインの現物を送るかしなければならない。一方、CME(シカゴ先物取引所)のビットコイン先物は米ドルで決済されている。

構想発表から1年以上。仮想通貨アナリストの間からは、「市場最高の強気イベント」などという見方が出ていた

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成功確率は5割?

しかし、現時点でバックトの立ち上げに投資家たちは冷静なようだ。

仮想通貨アナリストのアレックス・クルーガー氏が、バックトは成功するか失敗するかアンケートを取ったところ、現時点で成功が51%、失敗が49%と拮抗している。

クルーガー氏は、CMEのビットコイン先物の取引高は、最初の週は4億6000万ドルで現在は約7億ドルと指摘。バックトの成功も取引高で図られることになるとみている。

一方、ウォール・ストリート・ジャーナルによると、先物取引所と提携して決済を行うクリアリング・ハウスの参加数が伸び悩んでいる。例えば、ゴールドマン・サックス。CMEのビットコイン先物にはクリアリングハウスとして参加しているものの、バックトへの参加は見送っているという。

さらに2020年に米大統領戦への出馬を表明しているジョン・マカフィー氏は、「機関投資家は以前はなかった信頼を感じることになり、仮想通貨の普及が加速するかもしれない」としつつも、「フリーダムへの動きとは正反対であることを覚えておけ」と述べた。