ソラナ(SOL)のネイティブトークンであるSOLは、ステーキング機能を備えた史上初のソラナ上場投資信託(ETF)が7月2日にローンチされるという発表を受け、6月30日に7%上昇した。このニュースを受け、一部のトレーダーの間では、機関投資家の需要を喚起し、SOL価格が200ドルを超えるのではないかとの思惑が広がった。
SOLは一時161ドルまで上昇したが、その後157ドルへとやや下落し、過去24時間で4%の上昇にとどまった。
ETFの提供元であるREXシェアーズは、オスプレイ・ファンドと提携し、課税対象のC法人を設立。これにより、米証券取引委員会(SEC)の標準的な承認プロセスを回避してETFを立ち上げた。これは、米国で提供されている標準的なビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のETFとは異なる方式だ。
このC法人スキームは、エネルギー・インフラ系のパートナーシップでよく使われる手法であり、迅速かつスムーズなローンチを可能にする。ただし、税務面では不利であり、REX–オスプレイのSOLステーキングETFでは、配当収益に対して法人レベルと投資家レベルの両方で課税が発生する。
当初は強気ムードに沸いたSOL市場だったが、トレーダーの間では「同様のETFは他のアルトコインにも展開可能」との認識が広まり、熱狂がやや落ち着いた。また、2年以上にわたり取引されてきたグレースケール・ソラナ・トラスト(GSOL)の運用資産は約7500万ドルにとどまっている。
比較として、2024年7月にイーサリアムのスポットETFが実際にローンチされる1か月前、グレースケールのイーサリアム・トラスト(ETHE)は100億ドルの運用資産を保有していた。この大きな差から、ステーキング機能の有無に関わらず、機関投資家の需要がSOL価格に与える影響は限定的であると考えられている。
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ステーキング解除とDApp売却が重荷に
仮にソラナが数か月間にわたって先行者利益を確保できたとしても、SOLのステーキング解除や、一部のソラナ系分散型アプリケーション(DApps)による売却圧力が、その優位性を相殺する可能性がある。
DefiLlamaによると、今後2か月間で約5億8500万ドル相当のSOLがステーキングから解除される予定であり、売却圧力が高まる恐れがある。
さらに、ソラナの代表的なDAppの中には、定期的に保有SOLを売却してきたプロジェクトも存在する。例えば、Onchain Lensによれば、トークンローンチプラットフォームのPumpは、2025年だけで4億400万ドル以上のSOLを取引所へ移動させた。
このような動きから、ETFに関する強気材料にもかかわらず、SOLの30日間パフォーマンスがイーサリアム(ETH)やBNBとほぼ同水準にとどまっている理由が読み取れる。
SOL先物の資金調達率も、市場参加者のポジショニングを把握する上で重要な指標となる。強気レバレッジへの需要が過剰な場合、この指標は年率10%を超えるが、弱気相場では資金調達率がマイナスに転じ、ショートポジションの維持コストが発生する。
過去4日間で12.5%上昇したにもかかわらず、SOLの資金調達率は依然として10%の中立水準を上回れていない。現在のSOL価格157ドルは、過去最高値295ドルから47%下回る水準にあり、オンチェーンデータもネットワークのアクティビティ回復を示していない。ミームコインへの注目が集まっているにもかかわらず、ソラナのネットワーク収益は1月以降で90%以上減少している。
また、ロビンフッドがトークン化株式取引のローンチ先として選んだのは、イーサリアムのレイヤー2ネットワークだった。さらに、コインベースも6月12日、Shopifyと提携して、Baseネットワーク上でのオンチェーン決済を開始している。Baseネットワークは最終的にイーサリアムのベースレイヤーで決済される。
このように、ネットワーク間の競争激化やグレイスケールのソラナ・トラストへの需要の低さを背景に、今回のETFローンチがSOLを200ドルへと押し上げる決定打とまでは言えない状況だ。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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