ICOで100億円調達のKik SECの判断に異議申し立て ICOへの証券法適用を巡り法定闘争も辞さず

チャットアプリを手掛けるKikが、同社に対する強制措置の提案に対抗するとアメリカ規制当局に警告した。ウォール・ストリート・ジャーナルが1月27日に伝えた。

カナダを拠点とするKikは、証券法違反の疑いで強制措置の可能性に直面している。同社が17年に実施したイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に対して、米証券取引委員会(SEC)が未登録証券の販売を含んでいたという判断を下したためだ。

Kikは、同社のチャットアプリを基盤としたソーシャルメディアネットワーク向けの「kin」トークンで約1億ドル(約109億4100万円)を調達した。この資金でKikは「kin」トークンを活用し、モノやサービスを交換できるプラットフォームを立ち上げようとしている。

28日付のブログ投稿の中で、Kikの創設者でもあるテッド・リヴィングストンCEOは、同社は強制措置に対して対抗する構えであると述べ、仮想通貨業界全体として非中央集権型プラットフォームのトークンなど新興資産に対する証券法の適用に疑問を呈するべきと主張した。

11月16日に最初に提案されたKikへの強制措置は、SECの委員たちによってまだ承認されていない。アメリカでは、SECは証券取引法違反があったと判断した場合には、問題となっている会社に対して強制措置勧告と「ウェルズ・ノーティス」と呼ばれる警告書を発する。

提案された措置はその後、SECの委員の投票によって承認される必要があり、問題となっている企業は「ウェルズ・リスポンス」と呼ばれる書簡の中で回答または反論を行う30日の期限を与えられる。

昨年12月7日に提出されたKikの書簡は、SECの「『力による規制』といったアプローチは(今までのところ)、イノベーターたちがその活動を海外に移すか、またはプロジェクトを完全に中止してしまうかする中、アメリカのブロックチェーンと仮想通貨テクノロジーの発展に劇的でネガティブな影響を与えてきた」と主張している。

同書簡は、もし勧告された強制措置が承認された場合には、アメリカの規制当局は「ひどく間違った規制と強制のアプローチをさらに強化することになる」だろうと述べている。

Kikは、SECに破壊的なテクノロジーに合わせて法律を変えるよう要求しているのでは決してないと述べている。そうではなく、SECは「本来の意味と意図を超えて」、証券法の定義を拡大する間違いを犯していると主張している。

「証券取引委員会は、証券のオファーと販売を規制するためのその法的権威の範囲をはるかに超えてしまった。しかし、規制権限を拡大するためにハウィーテストを拡大解釈しようとする(この)試みは、意義のある司法による審査に耐えることはないだろう」

ウォール・ストリート・ジャーナルが指摘した通り、このことが示唆するのは、SECが本当にKikに対する強制措置に踏み切った場合には、ICOの販売がアメリカで証券オファリングとして規制されるべきかどうかという問題について、民事裁判所の判事に判断が求められ、重要な判例を生むことになるかもしれない結果につながる可能性があるということである。