スマートコントラクトのインフラを提供するアクシオム(Axiom)が、シリーズAの資金調達ラウンドで2000万ドル(29億円)を調達した。この資金調達ラウンドはパラダイムとスタンダード・クリプトが主導し、ロボット・ベンチャーズとエセリアル・ベンチャーズが参加した。

アクシオムはこの調達資金を開発者の採用と、製品開発の加速に用いる計画だと1月25日の発表で述べた。同社は、認証済みデータにオンチェーンでアクセスする新しい方法を提案している。従来のコンセンサスメカニズムに依存する代わりに、ゼロ知識暗号を使用する。

「オンチェーン・アプリケーションは、データ利用を最適化するために機能を削除したり、慎重に契約を作成したりすることで、過剰なデータ・コストに適応してきた」とアクシオムは指摘する。アクシオムによれば、開発者は大規模にデータを活用できず、この問題の結果としてスマートコントラクトを複雑な設計で構築せざるを得ないという。

ゼロ知識技術は、詳細を開示することなく、真実であることを証明することを可能にする。言い換えれば、計算に関わるデータを明らかにすることなく、検証メカニズムを可能にする。ZK暗号を使用することで、アクシオムはオンチェーンアプリケーションがより多くのデータを低コストで扱えるようになると主張している。

プロトコルは2023年にメインネットを立ち上げ、開発者が過去のイーサリアムのデータにアクセスし、オフチェーンでの計算を実行し、ゼロ知識証明を用いてデータを送信できるようになった。「認証済みデータを保存し、アクセスし、操作する需要は今後も増え続けると考えており、暗号技術とブロックチェーンがこの需要に応える適切なツールである」とアクシオムは語った。

ZK証明は銀行、医療、エネルギー、投票システムなど様々なセクターでますます応用されている。複数の仮想通貨企業が、スケーリングとプライバシー目的でこの技術に積極的に取り組んでいる。例えばポリゴンは、2023年3月にイーサリアムエコシステム向けのポリゴンzkEVMをリリースし、数千のトランザクションをオフチェーンでバッチ処理し、最小限のデータを含む暗号証明を可能にした。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン