著名テクニカルアナリストのピーター・ブラントは7月9日、イーサ(ETH)についてコメント。ETH/BTC(ビットコイン)のペアが重要なレジスタンスを突破すれば、アルトコインが強気になるとの見方を示した。アルトコインの季節が到来することになるのだろうか。
ブラント氏は次のようにツイートしている。
「ETH-BTCが重要なターゲットである0.03276 BTCの突破は重要だ。ほとんどのアルトコインは近い将来、ビットコインから利益を得るだろう」
出典: Peter Brandt ETH-BTCデイリーチャート
ここ数週間、オルタナティブな仮想通貨(暗号資産)の強力なパフォーマンスは、ETHの上昇と一致している。今後予定されているネットワークのアップグレードが実現すれば、トランザクションのピーク時にETHネットワークを悩ませているスケーリング問題が解決するとも予想されている。
カルダノやチェーンリンク、コンパウンドなどが急騰
過去1週間、カルダノ(ADA)、カイバーネットワーク(KNC)、コンパウンド(COMP)、チェーンリンク(LINK)の4つの主要なアルトコインが、対ドル、対BTC、対ETHで大幅な利益を記録している。
これら4つの仮想通貨では、重要なネットワークアップグレード、プロダクトのローンチ、注目度の高い発表があり、これらの要因で価格が上昇したようだ。
たとえば、カルダノではメインネットにおいて「シェリー」へのアップグレードを進めている。7月30日にカルダノのブロックチェーンがハードフォークすれば、シェリーのアップグレードが完成することになる。これにより、カルダノは、プルーフ・オブ・ワーク(PoS)ネットワークとして、イーサリアムのライバルとなるだろう。
カイバーネットワークも、カタリスト(Katalyst)のリリース後に価格が上昇した。カタリストでは、ユーザーがカイバーDAO(KyberDAO)に参加して、KNCをステークし、様々なインセンティブから利益を得ることができるようになる。これは理論的には、イーサリアム2.0のステーキングメカニズムと類似したものだ。
仮想通貨市場調査企業サンティメント(Santiment)は、次のように説明している。
「KNCの非取引所のトップ100のアドレスでは、カタリストから活発化している。そのトップ10の所有者はその保有量を引き上げており、48時間前時点での総供給量の48.6%から52.2%に上昇している」
出典: Santiment
分散型金融(DeFi)関連トークンの爆発的な需要と相まって、アルタナティブな仮想通貨に対するポジティブな地合いが投資家の自信を高めているようだ。
バイナンス・フューチャーズのデータによれば、投資家は多くのアルトコインペアでロングポジションを維持している。実際、プラットフォーム上のトレーダーの50%以上が、LINK、ADA、KNC、そしてCOMPでロングポジションを取っている。
イーサの強気相場はアルトコインに利益をもたらすか
一部のトレーダーは、ポジティブな市場構造のため、ETH上昇が2020年第3四半期にも続くと予想している。現在、ETHは250ドルのレジスタンス突破を試みようとしている。
過去にETHが250ドルを上抜けた際には、ETHは280ドル、360ドルまで上昇している。
ETHはこれまで何度か250ドル突破を試みている。トレーダーはETHの短期的なトレンドには楽観的であるようだ。これは、サポ―トやレジスタンスレベルが短期間で何度もテストされることで、その突破の可能性が高くなるためだ。
出典: Byzantine General, TradingView.com ETH-USDのフラクタル比較
DeFiセクターの急速な成長、ステーキングをサポートするアルトコインの増加、そしてETH上昇への期待は、アルトコイン市場に強力な強気トレンドをもたらす可能性がある。
ETHの取引高も過去10日間、比較的高い水準で推移している。これは、弱気派によるレジスタンス近辺での売り圧力にも関わらず、強気派が価格を押し上げようとしていることを示唆しているだろう。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン