米国証券取引委員会(SEC)のディレクターであるステファニー・アバキアン氏が違法なイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に対して「もっと本質的な」取り締まりを行なっていく発言した。SECの正式な見解ではないものの、これから米国内でICOの規制強化が進んでいくことを示しているかもしれない。

20日にSECのサイトに公開された文書の「ICOとデジタル資産」という項目の中でアバキアン氏は、次のように述べた。

我々は、規制機関の要求に従わない発行人に対して、より本質的な解決策を提案していくつもりだ

アバキアン氏は、ICOの新規性や背後にあるブロックチェーン技術に対する人々の興奮に理解を示す一方、ICO市場を取り巻く熱狂がリスクの高い投資であるという事実を曖昧にしてしまっていると指摘。ICOを取り巻く問題点として、発行人に確固とした実績がかけていることや、プロダクト、ビジネスモデル、ハッカーからデジタル資産を守る能力がないこと、そもそも単純にあからさまな詐欺であることをあげた。新たな資産形成のための技術発展を阻害したくないとしつつも、米国証券法に従わなければならないという見解を明かした。

ただ、先日SECのジェイ・クレイトン委員長は、「全てのスタッフの声明は拘束力のないもの」という声明を出している

7月に発表されたレポートによると、2017年のイニシャル・コイン・オファリング(ICO)のうち80%以上が「詐欺」だった