米証券取引委員会(SEC)は、2021年10月から12月にかけてノンファンジブルトークン(NFT)を投資家に販売したメディアおよびエンタテインメント企業に対して、未登録の証券販売を行ったとして告発した。

ロサンゼルスに拠点を置くImpact Theory社は、エンタテインメントと教育コンテンツ、いくつかのポッドキャストを制作している。同社は「Founder's Keys」と名付けられたNFTを三段階で提供し、その販売から約3000万ドルを調達したとされる。

SECによれば、Impact Theory社は「Founder's Keyの購入はビジネスへの投資と見なすべきだ」と潜在的投資家に促していた。さらに、同社は「次のディズニーを築くつもりだ」と強調し、成功すれば「Founder's Keyの購入者に多大な価値をもたらすだろう」と語っていた。

SECは、これらのNFTが投資契約であり、したがって証券であると判断。Impact Theory社は1933年証券法に違反してNFTを登録せずに販売したと結論付けた。SECは、Impact Theory社が受け入れた停止命令を発行した。

SECの命令に基づき、同社は総額610万ドル以上の不当利得、判決前利息、および民事罰金を支払うよう命じられた。また、Founder’s Key NFTに投資した人々に資金を返還するための基金が設立される。Impact Theory社は、所有または管理しているすべてのFounder’s Keyを破棄し、その命令についてウェブサイトとソーシャルメディアチャンネルで通知を行う。

A Founder's Key "Relentless" NFT. Source: OpenSea

NFTスタッツによれば、最上位層の「Legendary」Founder's Key NFTは最後に二日前に1468ドルで売られ、過去一週間に10回の販売があった。このトークンの供給量は13572で、所有者は4620人である。Impact Theory社は、Founder's Key以外にも複数のNFTを提供している。

SECのへスター・ピアース委員とマーク・ウエダ委員によると、今回の件は、SECがNFTに対して初めて行った強制措置であるという。ただ、「このNFTは企業の株式ではなく、購入者に配当を生むわけでもない」と指摘した。

「NFTをどのように使用し、楽しみ、利益を得るかについて明確な考えもないままに、3,000万ドル近い出費を誘うような誇大広告について、同僚たちが心配していることは我々も同じである。しかし、この懸念は、この問題を我々の管轄に引き込む十分な根拠にはならない。

Impact Theory社によって行われた約束は、「投資契約を形成するような約束ではない」と委員らは語り、NFTに関する約束を、コレクティブルズの販売業者による声明と比較した。そのうえで、NFT案件を追及する前にSECが検討すべき9つの質問リストを提示した。

「ハウェイ分析をどう考えるかは別として、この問題は、委員会がさらなるNFT訴訟を提起する前に取り組むべき、より大きな問題を提起している。