米証券取引委員会(SEC)は、仮想通貨取引で投資家150人をだました疑いでオハイオ州在住の男を起訴した。2月11日にニューヨーク州の連邦裁判所に訴状を提出した

SECによると、男の名前はマイケル・W・アッカーマン被告で、証券法に違反して少なくとも3300万ドル(約36億円)集めたとしている。

同被告は、2017年6月にQ3トレーディングクラブを氏名不詳のパートナー2人と創設し、詐欺行為を働いた。2018年夏に、関連事業体のQ3 I LPとQ3ホールディングスLLCも設立している。

医師を標的に投資勧誘

2017年7月時点で、フェイスブック経由でQ3トレーディング向けに投資家らを勧誘していたとされる。フェイスブック上の「Physicians Dads Group」というグループに属する医師らを標的にしていたという。アルゴリズムの取引戦略を謳い、利益を得られると喧伝していた。

Q3は、3億1000万ドル保持していると取引アカウントの表示を改ざん。実際には600万ドル程度しかなかった。また、投資家らに利益の50%を約束していたが、実際には投資額のわずかしか仮想通貨に変換せず、英領バージン諸島にあるオフショア仮想通貨取引プラットフォームに保管していたとされる。

アッカーマン被告は、2018年3月から2019年12月にかけて、集めた750万ドルで家や高級ジュエリーや車などを購入していたとされる。

SECは、同被告に対し、不正利益およびその利息と、罰金を科すことを求めている。また、ニューヨークの南部地区検察局と米商品先物取引委員会も同被告を起訴している。

SECの仮想通貨詐欺摘発

SECは先月、不正なイニシャル・コイン・オファリングで3000万ドル(約32億円)を集めたグループを告発した。ブロックチェーンを活用したヘッジファンドを立ち上げるという名目でICOで資金を集めていたが、実際には実態がなかったとしている。

また1月には、不正なICOで約200人の投資家から60万ドルを集めたグループを摘発している

仮想通貨分析企業のサイファートレースは2月12日、2019年第4四半期の仮想通貨関連犯罪レポートを発表した。2019年の詐欺・窃盗・不正使用による被害額は41億ドル(約4503億5000万円)と533%増加(2018年比)したという。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン

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