アメリカのコンピュータ科学者が、53年前の1966年に開発されたアポロ宇宙船の航行機能自動制御システム「アポロ誘導コンピュータ(AGC)」上で、仮想通貨ビットコイン(BTC)のマイニングに成功したという。ハイテク系ニュース「IT Pro」が7月9日に報じた。
AGCは、米航空宇宙局(NASA)による人類初の月への有人宇宙飛行計画「アポロ計画」で使用された、初期の集積回路(IC)ベースのコンピューターの1つ。記事によると、リバースエンジニアアリングの専門家ケン・シェリフ氏が、AGC上でBTCをマイニングできるようにするコードを作成し、GitHub上に公開した。また同氏によると、今回利用したAGCは現在世界で唯一動作する実機だそうだ。
PC/IT系専門家の紹介サービスを展開するエキスパート・エクスチェンジによると、AGCは、1985年発売の任天堂のファミリーコンピュータ(アメリカ版、NES)のおよそ半分の性能という。
シェリフ氏によると、AGCのハッシュレートは、1ハッシュあたり約10.3秒(約0.097H/s)だったそうで、「ブロックのマイニングには、宇宙の年齢の10億倍の時間が必要だ」と説明した。
シェリフ氏は、1973年にゼロックスのパルアルト研究所で開発され、アップルのコンピューター「マッキントッシュ」に大きな影響を与えた「アルト(Alto)」も所持しており、こちらのハッシュレートは1.5H/sだったそうだ。
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版