サウジアラビア政府、IBMとマースクが開発したブロックチェーンソリューション「TradeLens」を試験導入へ

サウジアラビアの税関当局は、IBMと海運大手のマースクが開発したブロックチェーンプラットフォーム「TradeLens(トレードレンズ)」との間で試験プログラムを実施する。12月26日にプレスリリースで発表した。この試験プログラムは、サウジアラビアが運営する貿易プラットフォーム「FASAH」にTradeLensをリンクさせるというものだ。

TradeLensは物流プロセスの管理をブロックチェーンで行うものだ。IBMとマースクが開発し、2017年から実証試験を行い、18年8月に正式に発表された。約100社の企業がTradeLensの取り組みに関与している。政府機関ではカナダ国境サービス庁が昨年10月にTradeLensを試験導入することを発表している。

サウジアラビア政府は「Vision 2030」と呼ぶ経済改革計画の元、ブロックチェーン技術の導入に力を入れており、今回の取り組みもその一環だ。

サウジ税関当局のトップを務めるAhmed Alhakabani氏は、今回の取組について「貿易を円滑にし、セキュリティレベルを高めることを目的とした我々の戦略に沿ったものであり、(サウジラビア)王国が世界有数の物流ハブの1つとなることを目指すものだ」と語っている。

「FASAHをTradeLensプラットフォームとリンクさせる今回の試験は、我々にとって目指すべき道を歩んでいることを明確に示すものだ」

中東地域ではブロックチェーン技術を政府レベルで導入する取り組みが進んでいる。アラブ首長国連邦(UAE)では、昨年11月にブロックチェーンと人工知能(AI)の導入のための構想を打ち出している。

UAEの中央銀行とサウジアラビア通貨庁は、2国間でのクロスボーダー取引で使用可能な仮想通貨を共同で発行する計画であると報道されている。UAEの中央銀行総裁は「研究段階に過ぎない」としながら、銀行間でのみ使用する仮想通貨を計画中であることを認めた。

またイスラム開発銀行も昨年11月末、チュニジアのスタートアップ企業と連携して銀行間ブロックチェーンツールの開発に乗り出すことを発表している。