仮想通貨(暗号資産)デリバティブ取引所FTXの共同創業者兼CEOのサム・バンクマン-フリード氏は、イーサリアム(ETH)は分散型金融(DeFi)の成長に対応できないと考えている。

カミラ・ルッソ氏がホストを務めるポッドキャスト「Defiant」に出演したバンクマン-フリード氏は、イーサリアムブロックチェーンがDeFiの開発を制約しており、それを回避する方法はほかのネットワークで構築するしかないと指摘した。

バンクマン-フリード氏はまた、イーサリアムで構築することと、本当にエキサイティングだと思うものを構築することの2つを満たそうとすることは両立できない状況だとも述べている。

何か新しいエキサイティングなものを構築しようとすると、「すぐにイーサリアムブロックチェーンのスループットを超えてしまう」という。

バンクマン-フリード氏は、DeFiがいつか10億人規模で利用される可能性があると考えている。つまり、ブロックチェーンがこの規模のユーザーベースをさぽーとするためにネットワークの能力を劇的に拡張する必要が出てくる。イーサリアム2.0によるスケーリング改善でさえ、同氏が念頭に置いているモノに対しては十分ではない。

「イーサリアムの100倍の速さではなく、イーサリアムの100万倍の速さが必要だ」

ここ数か月にわたるDeFiブームの間、イーサリアムを利用したDeFiプロトコルの人気の高まりにより、イーサリアムネットワークを逼迫させるものとなっており、それに伴いETH手数料も15ドル以上に急騰した。予定されているイーサリアム2.0が完全に機能した場合、100倍から1000倍にスケールアップできるとみられている。

しかし、誰もがイーサリアムに悲観的な考えをしているわけではない。DappRaderのコミュニケ―ションディレクターであるジョン・ジョーダン氏は、イーサリアム2.0がDeFiに大きなメリットをもたらす可能性があると、コインテレグラフに語っている。彼はシャーディングとプルーフ・オフ・ステーク(PoS)コンセンサスモデルの導入により、DApp(分散型アプリ)の基本的な問題のいくつかが解決され、トランザクション速度とスループットが大幅に向上すると考えている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン