共和党の上院議員9名は、米国政府機関に中国のデジタル人民元への対応を取るよう求める法案を提案した。この議員らは、中国のデジタル人民元が市民のプライバシー監視や経済制裁回避に使われることを懸念している。

3月9日の発表によれば、ルイジアナ州選出のカシディー議員とテネシー州選出のブラックバーン議員は、ほかの共和党議員の支持を得て、「ノーシルクロード法案」を提案した。議員らは中国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)がデジタル監視やプライバシー侵害の懸念があるとしている。

この法案が可決された場合、米政府機関はそれぞれの分野でデジタル人民元に対応することが求められる。たとえば商務省であれば、貿易やその執行措置にどのような影響があるかを報告する必要がある。

「対応しないままにしておけば、中国のデジタル人民元を含む技術により、ロシアはSWIFTなどのシステムに対する世界的な制裁を回避し、市民に対する監視を強めることになる」と、ブラックバーン議員は述べている。

ロシアは現在、米国をはじめとする西側諸国からの制裁に直面している。ロシア経済に深刻な打撃を与えるため、中国の決済システムを使うことで制裁を回避する可能性が懸念されている。またロシアの経済制裁を巡っては、デジタル通貨を使ってそれを回避するのではないかとの懸念も指摘されている