2019年の第1四半期(1ー3月期)にICO(イニシャル・コイン・オファリング)による資金調達額は、前年同月比で58分の1ほどに減少した。31日付のウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。
記事によると、2019年の第1四半期のICO調達額は、約1億1800万ドル(約130億円)。昨年の同時期は69億ドル(約7590億円)だった。これらの数値は、ICOデータ分析サイト、トークンデータが発表している。
また、成功したICOのうち、たった15%のトークンしか初値かその上で取引できていないという。
ICOは、トークンを使った資金調達方法。伝統的な資金調達方法に比べてお手軽であることに加え、取引時間が24時間365日であることやグローバルで取引が可能であることなどから、注目を集めている。
ICO調達額激減の背景には、弱気相場が長引いていることに加えて、規制当局に対するICOへの規制が厳しくなってきていることがあると見られる。
昨年11月、米証券取引委員会(SEC)は、トークンセールの登録を怠ったケースに関して、2つのイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に対して初めて民事罰を科した。仮想通貨アナリストから、この件が昨年11月中旬からのビットコイン急落の要因になったという見方も出ている。
また昨年12月には、SECのジェイ・クレイトン委員長は、ICOについて「効率が良い資金調達手段になりうる」と認めつつも「証券法は守られなければならない」と釘を刺した。
日本でもICOに対する規制が進んでている。
金融庁は、先月15日に閣議決定された改正案の中で、収益分配などが見込まれ、投資とみなせるICOについては、金融商品取引規制の対象となることを明確化すると解説。また、株式などと同様に、投資家への情報開示の制度や販売・勧誘などの規制を整備すると述べた。
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版
原文 Report: ICOs Raised $118 Million in Q1 2019, Over 58 Times Less Than in Q1 2018