仮想通貨(暗号資産)やブロックチェーン関連のハッキングは2020年に減少しているとのレポートが公開された。

VPNプロバイダーのアトラスVPN(Atlas VPN)が28日に公表したデータによると、2020年上半期のハッキング件数は、2019年の同時期に比べて3倍以上減少したという。

Atlas VPNによると、2019年はブロックチェーンハッカーにとって記録的な年で、上半期に94件の攻撃を成功させたのに対し、2020年上半期には31件の攻撃にとどまったとしている。

出典:アトラスVPN

レポートによると、2019年通年では133件のブロックチェーンネットワークへの攻撃が成功した。

過去のデータから、アトラスVPNのアナリストは、ブロックチェーンへのハッキングは今後も減少傾向にあると示唆し、次のように述べている。

「2020年はまだ終わっていないので、年内にはもっと多くのブロックチェーン関連の侵害が起こると予想できる。それにもかかわらず、過去のデータから、2020年は昨年のような記録的な数値には到達せず、ブロックチェーンのハッキングは減少傾する思われる。」

レポートによるとハッカーは2009年以降、330件のブロックチェーン関連のハッキングを通じて136億ドルを盗んだという。アトラスVPNによると、EOSベースの分散型アプリ(DApps)を標的とした攻撃が、侵害数の面で最も成功していることがわかった。レポートによると、EOS DAppsについで仮想通貨取引所、ブロックチェーンウォレット、イーサリアムブロックチェーンベースのDAppsとなっている。

既報の通り、ブロックチェーンセキュリティ企業のサイファートレースによると、仮想通貨関連の詐欺や盗難の総量は、2019年に44億ドルの損失をもたらした。サイファートレースは、仮想通貨窃盗に関しては、より大きい額を狙う犯罪が増加しており、被害額は2018年以来急上昇していると指摘。2018年には仮想通貨の盗難や詐欺を通じて約17億ドルを盗んだと報告されている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン