仮想通貨支持派の米国大統領候補であるロバート・F・ケネディ・ジュニア氏(RFK Jr.)は、10月9日にフィラデルフィアでの集会で、民主党の指名を求める選挙戦から撤退し、独立系候補として出馬することを宣言した。

ケネディ氏は「特にビットコインを中心に、米国を仮想通貨のグローバルハブにする」ことが彼の政権の目標の一つであると明言。7月には、米ドルを金、銀、プラチナ、そしてビットコイン(BTC)などの「ハードカレンシー」で裏付ける計画を明らかにした。

また、ケネディ氏は、米連邦準備制度の即時決済システム「FedNow」に強く反対しており、これを中央銀行デジタル通貨(CBDC)と同様に問題視している。Twitterの投稿で「CBDCは財政的な隷属と政治的な圧政につながる」と主張し、これが「ビットコインの禁止と押収の第一歩」である危険性が明白だと述べた。米連邦準備制度理事会は後に、FedNowとCBDCを区別する一般市民向けの意識向上キャンペーンを開始している。

ケネディ氏はこの決定を数日間ほのめかしていた。彼を支持するスーパーPAC(政治行動委員会)の「アメリカン・バリューズ 2024」は、10月2日に発表された世論調査の結果、彼が現代の米国選挙史で最も強力な独立系候補であることを示していると主張した。現在の米国大統領ジョー・バイデン氏および前大統領ドナルド・トランプ氏の38%の支持率である一方、有権者の19%の支持を受けている。

2024年の大統領選挙で数百の独立系候補が立候補を宣言しているが、広く注目を浴びているのはごくわずかである。バイデン大統領に挑戦する唯一の民主党の対抗馬は、現在、作家のマリアンヌ・ウィリアムソン氏だ。

ケネディ氏の名前は長い間、民主党と密接に関連してきたが、ワクチンへの反対など、さまざまな問題に対するRFK Jr.氏の立場は、党の主流や彼の家族との関係に亀裂を生じさせている

ケネディ氏の仮想通貨に関する見解は、共和党の大統領候補者でありフロリダ州知事のロン・デサンティス氏とよく似ている。デサンティス氏もFedNowとCBDCに対するケネディ氏の反感やビットコインへの支持を示している。世論調査によれば、デサンティス氏は共和党の予備選挙の指名でトランプに次ぐ2位だか、大きく離されている。

バイデン氏とトランプ氏が米国の2大政党の世論調査でトップを維持しているため、次の大統領がCBDCを支持する仮想通貨反対者となる可能性が高まっている。