オンライン予測市場プラットフォームのポリマーケットは、米国で認可を受けたデリバティブ取引所QCEXを1億1200万ドルで買収したことを発表した。これにより、ポリマーケットは2年以上の中断を経て、米国市場への再参入を目指す。
公式ウェブサイトによれば、QCEXはフロリダ州ボカラトンに拠点を置いており、デリバティブ取引所および清算機関の双方が米商品先物取引委員会(CFTC)の監督下にある。
ポリマーケットは、選挙結果やスポーツイベントなど、実世界の事象の結果を取引対象とする分散型予測市場プラットフォームだ。トークン・ターミナルのデータによると、過去1年間の取引高は150億ドルを超えた。
ポリマーケットの創業者兼CEOであるシェイン・コプラン氏は、プレスリリースで次のように述べている。
「QCEXの買収により、ポリマーケットを“本拠地”に戻す基盤を築いた。米国において完全に規制準拠のプラットフォームとして再始動し、アメリカ人が自身の意見を取引できる環境を提供する」
ブルームバーグは7月15日、米司法省およびCFTCがポリマーケットに対する調査を打ち切ったと報じた。両当局は、ポリマーケットが米国居住者からの取引を受け入れていたかどうかを調べていたという。
ポリマーケットは、2022年1月にCFTCとの和解を受けて米国市場から撤退していた。同社は、CFTCへの登録なしにイベントベースのバイナリーオプションを提供していたとして、140万ドルの罰金を支払うとともに、米国居住者による市場へのアクセスを遮断することで合意していた。
米国復帰なら競合と再激突
ポリマーケットは、米国市場への再参入に際して、すでに知名度のある複数の競合と対峙することになる。仮想通貨取引所クリプト・ドットコムは、2025年5月に米国で予測市場プラットフォームを開始しており、カルシは個人投資家向けプラットフォームのロビンフッドと提携し、予測市場契約の提供を開始している。
2025年6月末、カルシとポリマーケットはそれぞれ新たな資金調達を発表。カルシは20億ドルの評価額で1億8500万ドルを調達し、ポリマーケットは10億ドルの評価額で2億ドルの資金を確保した。
予測市場は「群衆の知恵」を活用することで、将来を予測するツールとなりうるとする声もある一方で、ギャンブル業界やスポーツリーグからは一定の警戒や反発も受けている。
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