ポーランドの仮想通貨取引所ビットマーケットは7月8日、同社ウェブサイト上において「流動性の喪失」を理由とする閉鎖を発表した。一方米SNSレディットでは、「ハッキングの事実を隠しているという顧客の告発にはまったく対処しなかった」という書き込みがなされた。

同ウェブサイトを介して取引所にアクセスしようとすると、英語とポーランド語で次のようなメッセージが表示される。

「顧客の皆様、流動性の喪失により、2019年7月8日以降、ビットマーケットは業務を停止することを余儀なくされましたことをお詫びします。今後の手順についてお知らせします」

米仮想通貨関連データサイト「コインマーケットキャップ」によると、ビットマーケットの取引高は比較的少なく、過去24時間で85万80ドル(約9300万円)だった。なお、取引所が閉鎖しているように見える間に取引がどのように継続しているかは不明。顧客は、取引所APIを介して取引できるかもしれない。

米SNSレディットのユーザー「オドバンクス」は、ビットマーケットが閉鎖するまでの数週間の間に、いくつか危険信号を発したことを指摘した。さらに閉鎖直前、自分のパスワードや取引所APIアクセス用キーを(何の理由も示されず)変更するよう顧客に求めたという。

一部顧客は、出金の際に追加のKYC(顧客確認)措置を遵守するよう取引所に求められ、資金を引き出せなかったとも主張した。

この場合、顧客は自分のIDのコピー、自分のIDを手などに持っている本人の写真、「投資目的で、顧客本人が仮想通貨ビットコイン(BTC)を購入するためにビットマーケットを利用していることを確認したメモ(同意書)」の提出を求められたという。また同氏は次のように主張した。

「ビットマーケットの担当者は、長期間延期されてきたKYCの条件であり、期限切れのIDを持つ顧客のみを対象としていると主張した。ビットマーケットは、ハッキングされたという事実を隠しているという顧客の告発にはまったく対処しなかった」


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版