ブロックチェーンゲーム業界では、かつて流行したP2E(Play to Earn、プレイして稼ぐ)モデルが廃れ、ゲームプレイ体験の向上に焦点が移っている。新しい調査がこの業界での「大きな変化」が起きていることを指摘している。
ブロックチェーンゲームアライアンス(BGA)が1月12日に報告書を公開し、その中で業界分析を行っている。ブロックチェーン分野の252のプロジェクトや企業の347人の専門家を対象に調査を実施した。
BGAによると、回答者の多くはブロックチェーンゲーム企業で中間管理職やトップマネジメントとして働いている若い男性だった。
このレポートの中では、ブロックチェーンゲーミングの経営陣が、ブロックチェーンゲーミング導入の推進力としてP2Eをどう見ているかが明らかに変化していることがわかる。
2021年には、P2Eがブロックチェーンゲーミングの最も大きな成長ドライバーとなることに同意する回答者が67.9%いた。最新の調査では、この数字はわずか22.5%に縮小している。
その代わりに、ゲームプレイ体験の向上が2023年の採用の最大の推進力となると見られている。35.7%の回答者がゲームプレイ体験の向上が業界の最優先事項であると回答している。
DApp分析企業DappRadarのリサーチ・分析責任者であるペドロ・ヘデラ氏は、P2Eの凋落は仮想通貨価格の下落や無料で稼ぐ( free-to-earn)ゲームの結果だとし、新世代のWeb3ゲームへの道を開く上で「2023年は勝負の年になるだろう」と述べている。
Web3コンサルティング会社ブロックマインズの共同設立者であるローワン・ツヴィアーズ氏は、ブロックチェーンゲームのでのP2Eブームの後、現在この業界は「正常化への引き戻し」の真っ只中にあると述べている。
同氏は、P2Eゲームは「持続不可能であることを証明した」としながらも、より高度な次世代のブロックチェーンゲームダイナミクスを開発する必要性を指摘している。
一方、ハートマン・メタバース・ベンチャーズの最高投資責任者であるフェリックス・ハートマン氏は、「資本がより賢くなり、より要求が厳しくなった」ため、「安価なポイント&クリックブラウザ」のP2Eゲームは、以前ほどの資金調達ができなくなったと述べている。
ハートマン氏は、ベンチャーキャピタルがゲーマーのためのより良い体験に目を向けていると指摘する。
"アンリアル・エンジンベースのハイ・フィデリティゲームに Web3とAIを統合する最先端のゲームスタジオが増え、より多くの支持を得ている」という。
P2Eの人気は低下しているが、Mirai Labsの共同設立者であるコリー・ウィルトン氏は、P2Eモデルの「愛好者」は常に存在するが、「カジュアルゲーマーを取り込む」ゲームを作る方が明らかに収益性が高いと述べている。
この報告書では、ブロックチェーンゲームにおける最も大きな問題は、ゲーム性の低さとブロックチェーンゲームのコンセプトの理解という問題であると強調されている。