暗号資産に特化した著名ファンドである米パラダイム(本拠地サンフランシスコ)の共同設立者兼マネージング・パートナー、マット・ホアン氏が破綻した取引所FTXに投資したことについて「深く後悔」していると語った。

パラダイムは約132億ドルを運用する著名なベンチャーキャピタルで、暗号資産投資の分野でリーダー的な存在だ。同ファンドは破綻したFTXに対し約2億7800万ドルを投資していた。

アン氏は15日のツイッター投稿で「暗号資産の価値観を相容れない思想をもち、(暗号資産やWeb3.0の)エコシステムに甚大な損害を与えたファウンダーとその会社に投資したことに深い後悔を感じている」とのべた。

パラダイムのMatt Huang氏

パラダイムはすでにFTXへの投資を簿価ゼロまで減損したという。

また、パラダイムはFTX上で取引したことはなく、FTXトークン(FTT)、Serumトークン(SRM)、Maps.MEトークン(MAPS)、Oxygen Protocolトークン(OXY)など、いわゆる「FTX関連銘柄」に投資したことはないとしている。

一方暗号資産投資分野で一目おかれるベンチャーキャピタルであるパラダイムが、FTXへの投資検討の際にしっかりとしたデューデリジェンスをしなかったのではという批判の声も上がっている。

あるツイッターのユーザーはパラダイムに対し「あなたたちはデューデリジェンスをしなかった。そして、あなたたちが(FTXを)支持することで、一般ユーザーもFTXとその創業者SBFの詐欺を信じ支持するようになった」と痛烈に批判している。

デジタル資産ヘッジファンドZXスクエアード・キャピタルの共同創業者CK・鄭氏はコインテレグラフの取材に対し、多くのベンチャーキャピタルがFTXとその経営陣に対して適切なデューデリジェンスを行っていなかったと指摘している。

取締役会もなくガバナンス(企業統治)の仕組みもなかった。基本的には創業者のワンマンショーだった。<中略>320億ドルの価値をもつ企業を経営するのは、小さな会社を経営するのとは全く違うのだ」(鄭氏)

ちなみにFTXには、米著名ファンドのセコイアキャピタルやカナダ・オンタリオ州教職員年金基金、ソフトバンク等も投資していた。