2015年に投資家から40億ドルをだまし取った仮想通貨スキーム「ワンコイン(OneCoin)」の元コンプライアンス責任者が、マンハッタンの連邦裁判所で電信詐欺とマネーロンダリングの罪を認めた。米司法省(DOJ)は11月10日の声明で発表した。

ワンコインの幹部だったイリーナ・ディルキンスカ氏は、電信詐欺共謀とマネーロンダリング共謀の罪状で有罪を認めた。それぞれの罪で最大5年の懲役が科される可能性がある。「ワンコインのいわゆる"法務・コンプライアンス部長"だったイリニア・ディルキンスカは、その職務の目的とは全く逆の行為を行った」と、米司法省のダミアン・ウィリアムズ検事は発表で指摘した。「ディルキンスカ氏が今や認めたように、彼女はワンコインがマルチレベルマーケティングのスキームを通じて得た不正な利益の何百万ドルもの洗浄を助けた」。

検察は、ワンコインのコンプライアンス部長だったにもかかわらず、ディルキンスカ氏がスキームのマネーロンダリングに重要な役割を果たしたとも指摘する。ディルキンスカ氏は一時、不正に得た収益の1億1000万ドルをケイマン諸島の法人に送金するのをほう助していた。

ディルキンスカ氏の量刑判決は2024年2月14日に予定されており、ワンコイン・スキームでの役割により最大10年の懲役が科される可能性がある。

ワンコインは2014年に「クリプトクイーン」と呼ばれたルヤ・イグナトヴァ氏とカール・セバスチャン・グリーンウッド氏によって設立された。グリーンウッド氏は詐欺とマネーロンダリングの罪で懲役20年を言い渡され、さらに3億ドルの賠償金の支払いを命じられた。しかし、イグナトヴァ氏は現在も逃亡中で、2017年10月に逮捕状が出され、ギリシャ行きの飛行機に搭乗した後に行方不明となった

ワンコインは2015年に詐欺であることが発覚した。ブルガリアを拠点とする仮想通貨ベンチャーだったが、マルチレベルマーケティング(ねずみ講)のスキームで資金を集めていた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン