セキュリティ企業CertiKの報告によれば、10月のWeb3関連の盗難被害額は今年最低となった。CertiKが確認したハッキング、不正流出、詐欺によるインシデントは38件で、被害額は3220万ドルに上った。単一の事件による損失は700万ドルを超えることはなかった。

今年10月までの累計14億ドルに比べて、10月の損失は月間平均の約4分の1だった。二番目に損失が少なかったのは1月で、その時の損失は3370万ドルだった。10月の統計は、損失が着実に減少している結果ではなく、むしろその月に大きな事件がなかったことを示している。10月の38件という数も件数的には最低だった。

10月の主要なWeb3インシデント Source: CertiKAlert X account

CertiKの第3四半期報告書によれば、7月のインシデント件数は79件で、8月には66件、9月には39件に減少した。ただし、10月に増加したのは出口詐欺だけで、9月から4倍に増えた。このカテゴリーは、仮想通貨プロジェクト「Fintoch」のユーザーがほぼ3200万ドルを失った5月に年間最高を記録した。

一方で、不正流出は9月にピークを迎え、主にクラウドサービスプロバイダーが侵害されたMixinネットワークが2億ドルの損失を被ったためだ。2番目に損害が大きかったのは7月で、その大部分はマルチチェーンMPCブリッジの損失によるものだった。

仮想通貨犯罪には明確なトレンドがある。CertiKは最近、ソーシャルメディアを使った詐欺の増加に注目する。同社は、米連邦取引委員会のデータを引用し、過去18カ月間の仮想通貨詐欺のほぼ半分がソーシャルメディアに関連していると指摘した。

またCertiKは第3四半期に、北朝鮮のラザルスグループが「支配的な脅威アクター」であると述べている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン