マイク・ノヴォグラッツ氏による仮想通貨ベースの商業銀行、ギャラクシー・デジタル LPが、8月1日からカナダのTSXベンチャー取引所で取引を開始する予定だ。ブルームバーグが30日に報じている。

 ニューヨークに本社を置くギャラクシー・デジタルは、ギャラクシー・デジタル・ホールディングス.LTDという別法人で取引所に上場すると報じられいてる。ティッカーはGLXYとなるという。

 ギャラクシー・デジタル創業者で、ゴールドマン・サックスの元パートナーであるマイク・ノヴォグラッツ氏はにとって、今回の上場に至るまでは長い道のりだった。米国での新規株式公開(IPO)に必要な2年間の監査済み財務諸表が必要だが、ノヴォグラッツ氏はその代わりに「リバース・テイクオーバー」という手法でカナダの取引所に上場する。これは取引所に既に上場している会社を買収して行う方法だ。

 ブルームバーグの報道の中で、上場にまで至る道は「フラストレーションのあるものだった」とノヴォグラッツ氏は振り返っている。8か月間にわたり、カナダの規制当局による厳密な調査を受け、当初4月に予定していた上場は8月まで延期された。BNNブルームバーグとのインタビューの中で、ノヴォグラッツ氏は次のように語っている。

「私が今知っていることを知っていれば、つまり仮想通貨市場が非常に混乱し、時間が掛かりそうだと知っていれば、もう1年間待った上で上場しようとしただろう。しかし、私は失敗したとは思っていない」

 ビットコイン相場は昨年12月に2万ドルのピークに達した後、長期の下落トレンドが続き、6000ドル以下まで下落した。ブルームバーグによれば、ギャラクシーはビットコインが最高値を付けた1週間後、直接引き受けで株式を5カナダドル(約3.8米ドル)で販売した。

 「残念ながら、カナダの資本市場は盛り上がっていない」と、ノヴォグラッツ氏はインタビューで話し、「彼らが戻ってくることを信じている」と付け加えた。上場企業が増えている中で、ギャラクシーの値付けは難しいかもしれないとし、ノヴォグラッツ氏は次のように付け加えた。

「カナダに上場している企業が急増しており、すべてが本当にうまく取引されていなかった。規制当局は少し神経質になり『ちょっと待ってくれ、我々がここで見ているものについて確認しよう』と言っていた」

 TSXベンチャー取引所のマネージングディレクター、ブレイディ・フレッチャー氏は、ブルームバーグに対して、デューデリジェンスのプロセスは「マイクのような起業家にとっては、おそらく少し時間が長かったかしれない」と語った。それでもTSXは「今回の上場に興奮しており、ギャラクシーは素晴らしいストーリー〔にあると考えている〕」。

 ブルームバーグによると、ノヴォグラッツ氏はフランクフルト、ロンドン、香港での株式上場も検討しているという。ノボグラッツ氏は次のように語っている。

「我々はグローバル企業になろうとしている。我々は世界中で取引されることを望んでいる」

 ギャラクシー・デジタルは先週、第1四半期で1憶3400万ドルの損失を出したことが明らかになった。その中にはデジタル資産の未実現損失8550万ドルが含まれる。また最近、機関投資家向けに仮想通貨を担保としたローンサービスを提供しているスタートアップ、BlockFiに出資したニュースも報じられてる