米証券取引委員会(SEC)の委員であり、仮想通貨に好意的な姿勢から「クリプトママ」とも呼ばれている、ヘスター・ピアース氏は、デジタル資産の規制について、既存の枠組みをはめ込むだけではうまくいかない可能性があると述べている。

ピアース氏は、オンラインで開催されたカンファレンス「エンタープライズにおけるイーサリアム」で、サンタンデール銀行のマネージングディレクターであるジョン・ウェランのインタビューに応えた。パース氏は、SECが仮想通貨規制に関する他機関のアプローチから学ぶことができると述べている。特にワイオミング州の規制を「非常に進歩的だ」と言及した。ワイオミング州の銀行委員会は、10月にクラーケンやAvantiなどの仮想通貨企業に対して銀行設立の認可を与えた

対照的に、連邦レベルでは仮想通貨・ブロックチェーン企業は、自らが望む結果を得ることなく、SECからの決定を得るために「多くの資金と時間を費やす」ことになっていると述べている。さらに、SECが既存の規制枠組みでそのような革新的な業界に対応できない可能性があると、パース氏は語った。

「絶対に私たちには新しいルールが必要だと思う」と、パース氏は述べている。「私たちの証券法は、歴史の試練に耐えられるように非常に柔軟に設計されており、大部分はそのようになっていると思う」と発言した上で、次のように付け加えた。

「私は、既存の証券法によってきちんと解決されていない仮想通貨が提起する問題がいくつかあると思う。規制面でさらなる革新がみられることを望んでいる」

ピアース委員は、今年8月に委員としての2期の任期を開始しており、2025年までその地位に留まる予定だ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン