18年1月下旬、シンガポールに本拠を置くロシアの新興企業Streamityは、仲介なしでさまざまな通貨をユーザー同士で交換できる仮想通貨交換アプリ、StreamDeskをリリースした。プロジェクトは現在、分散型プラットフォームの作成に取り組んでおり、「現代の仮想通貨交換市場に革命を起こす」としている。

市場に目を向ける

 仮想通貨の保有者は皆、少なくとも一度は「どこで仮想通貨を法定通貨に交換するか」という問題に直面している。昨年、何百ものオンライン取引が開始されたが、その取り扱いは容易ではな い。手数料は不当に高く、取引所自体が安定しておらず、米国当局介入後の17年8月におけるBTC-eの事例のように、大きな案件が突然保留されたり、あるいは崩壊する可能性もある。

 さらに現時点では、既存の仮想通貨交換サービスは、ほとんどが最小取引金額を導入しているため、少額の資金を送ることはできない。ほとんどの場合この最小取引金額は、サービスを使用して少額の寄付をしたい、あるいは映画のチケットやオンラインゲームを購入したいユーザーにとって、障害となる。

 Streamityチームは、この既存の仮想通貨交換システムの不便さを解消することを目指している。StreamDeskアプリは、2ドル程度の小さなトランザクションをほぼ無料で、サーバーを介して送ることができる。同社は、スマート・コントラクト・アーキテクチャーと支払いシステムのAPIを使用することで、仮想通貨と法定通貨の交換プロセスを完全に独立かつ安全なものにするとしている。

もうトランザクションを待たずに済む

 同社のウェブサイトによると、StreamDeskは、ハッキング(多くの場合顧客の預金の損失につながる)のせいで取引所が数時間にわたって非アクティブになるような事態を避けるように設計さた。これを実現するため、StreamDeskは多数の検証と暗号化アルゴリズムを組み合わせたスマート・コントラクトを用い、トランザクションを保護する。

 MediumのStreamityブログによると、「仮想通貨の売り手に、キュー上で買い注文を出せる。このようにして、売買しようとするユーザーからの応答を待っている売り注文が常に存在するため、売り手と買い手との間のP2P取引は固定される」とのことだ。

 これにより、StreamDeskは既存のほとんどの交換プラットフォームとは異なり、買いと売りのタイムラグが大きくなる場合があり、時には12時間を超えることもある。既存のプラットフォームの中には、ある当事者が所定の時間枠内で応答しない場合、取引注文を自動的に取り消すものさえある。

 1月のプレセール中、同社は280万ドルを調達した。Streamityは公式のクラウドファンディングキャンペーンを18年3月12日に開始し、3月25日に終了する予定だ。STMトークンはERC20標準を使用してイーサリアムプラットフォーム上でリリースされ、ハードキャップは2千万ドルとなる。

 Streamityのサイトによると、今後STMトークンは発行されない。STMの数は厳密に1億8千万トークンに制限され、1トークンは0.2ドルとなる。トークンは、ICOキャンペーン中に獲得した投資の数に比例して配分され、追加のボーナスや報酬も含まれる。

 

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