ビットコイン(BTC)を巡って、個人投資家が買い増しを進める一方で、クジラ(大口保有者)が売却を進める動きが強まっている。オンチェーン分析プラットフォームのサンティメントによると、過去のパターンから見れば、こうした乖離は価格下落の前兆となる可能性があるという。
サンティメントは土曜の市場レポートで、「歴史的に価格はクジラの動きに従う傾向があり、リテール(小口投資家)の方向には従わない」と指摘した。
同社のデータによれば、10月12日以降、10〜1万BTCを保有するウォレット群(クジラ)は約3万2500BTCを売却した一方で、小口投資家は積極的に押し目買いを行っているという。
この期間、ビットコイン価格は11万5000ドルから11月4日の9万8000ドルまで約15%下落した。記事執筆時点では10万3780ドル前後まで回復している。
サンティメントは「大口と小口の間で明確な乖離が生じており、これは警戒すべきシグナル」と強調した。
アナリスト間で分かれる見通し
今後の展開については、アナリストの見解が割れている。
ビットフィネックスのアナリストはコインテレグラフに対し、「今後数週間は明確な上昇ではなく、調整とボラティリティの局面が続く」と述べた。
「10月上旬のETF資金流入が価格を12万5000ドル付近まで押し上げたが、その後のマクロ要因や大型オプション満期、利益確定により、価格は再び10万ドル台後半まで押し戻された」と分析している。
ファーサイドによると、現物ビットコインETFは金曜日に6日連続の流出を終え、再び資金流入に転じたという。
条件が整えば13万ドルも視野に
ビットフィネックスのアナリストは、「週あたり10億ドル超のETF資金流入が戻り、マクロ環境が改善すれば、ビットコインは13万ドル台を目指す可能性がある」としている。
一方、ナンセンのシニアリサーチアナリスト、ジェイク・ケニス氏は、「ビットコインは年単位では上昇傾向にあるが、直近の清算や市場構造の崩れを踏まえると、短期的な上昇はやや難しい」と慎重な見方を示した。
ただし同氏は、「年末にかけて再びモメンタムが明確に転換すれば、新たな史上最高値をつける余地はまだ残されている」とも述べている。
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