仮想通貨ハッカーや詐欺師が2023年第1四半期に4億5200万ドルを盗み取ったが、アンチウイルス・アプリプロバイダー「De.Fi」が発表した報告書によれば、これは良いニュースであり悪いニュースでもある。損失額は2022年第1四半期の13億ドルから減少している。ただし、回収率も低下しているというのだ。

報告書によれば、今四半期の損失額のほぼ半分(2億1500万ドル)が3月の最初の3週間に発生した。Euler FinanceとBonq DAOへの攻撃が、それぞれ1億9600万ドルと1億2000万ドルと大きな被害額になったからだ。これらの攻撃により、イーサリアムブロックチェーンが最も大きな被害を被ったわけが、バイナンススマートチェーンはイーサリアムの10件に対して18件で数が上回っていた。

被害額ベースでは、CoinDealは被害額では第3位で4500万ドル、Monkey Drainerのフィッシング詐欺は第4位で1650万ドルであった。

報告書で調査された49件の事件のうち、6件のフラッシュローン攻撃が最大の損失で2億ドル以上を占め、Euler Financeがその大半を占めていた。スマートコントラクトへの攻撃が最も一般的なタイプで17件だった。分散型金融(DeFi)では5件だけだったが、3億3600万ドルという最大の損失額を被った。

第1四半期には、こういった被害額から1億3000万ドルが回収された。その全額が3月に回収され、ほぼすべての1億2900万ドルがEuler Financeハッカーによって返金されたためである。昨年の第1四半期には、13億ドルの損失額から5億2000万ドルが返還されており、盗まれた資金の40%に相当するが、今年は28.7%に留まっている。