ネオバンクのコグニは、同社の仮想通貨ウォレット保有者向けに、KYC(顧客情報の確認)情報を含んだソウルバウンドNFTトークンの提供を開始すると発表した。ポリゴンベースのこのNFTは、顧客が口座開設時に銀行で行ったWeb2のKYC確認情報をWeb3環境に移行する。

コグニは、伝統的なニューヨークの銀行を通じて米国連邦預金保険公社(FDIC)の保険適用を受けており、1月にノンカストディ型のマルチチェーン仮想通貨ウォレットを導入した。ユーザーは、ウォレットで仮想通貨やNFTを送受信や保持ができる。さらに、オプションで譲渡不可能なソウルバウンドNFTを発行でき、所有者の許可で分散型アプリ(DApps)がそれを復号できる。

同行の狙いは、ユーザーエクスペリエンスの向上だ。コグニの創設者兼CEOであるアーチー・ラビシャンカー氏はコインテレグラフに対して次のように述べた。

「仮想通貨に興味があるものの、分散化の波に乗れていない人々がいる理由は、一つにはユーザーエクスペリエンスが悪いこと、もう一つはエコシステムへの信頼がないことだ。」

しかし、ラビシャンカー氏は「誰もがデジタルバンキングの使い方を知っている」と付け加えた。仮想通貨ウォレットは「通常の銀行業務の中で利用できる」という。

NFTに含まれる「銀行レベル」のKYC情報は、米国のKYC要件を満たし、パートナーとなるDAppsによって追加手続きなしで利用できる。コグニはKYC検証を含むDAppsのマーケットプレイスを数クリックで接続できるようにすることを見込んでいる。

「仮想通貨冬の時代」によって大手仮想通貨企業の倒産が相次ぎ、顧客の資金がカストディウォレットに閉じ込められる事態が発生したことを受け、ノンカストディウォレットの利用が増加している。コグニのソウルバウンドNFTは、最初は一部のユーザーに提供され、夏に一般公開が予定されている。