米ナイキのスニーカー「エアジョーダン」で裏付けされた仮想通貨の価格が、中国人トレーダーらが投資を引き揚げたことを受けて、急落した。ロイターが10月16日に報じた。中国政府と米プロバスケットボール協会(NBA)との対立が影響したとみられる。

匿名の中国人トレーダーが同国最大のSNSウェイボー(微博)で、米国の取引所でナイキのエアジョーダンに裏付けされたトークン価格が10%下落していると指摘。これは先週、米プロバスケットボール協会(NBA)のヒューストン・ロケッツのゼネラルマネジャーのダリル・モーリー氏が香港の反政府デモを支持する発言をツイッターに投稿したことに対する、中国人ネットユーザーらの反応だと主張している。NBAの中国市場は40億ドルを超えるとされる。

このモーリー氏の発言のあと、ジョーダンシリーズの最新モデルで人気の「エアジョーダン1レトロ ハイ サテン・ブラック トゥ」で裏付けされたトークンの価格は、34%下落している。

ロイターの分析は仮想通貨取引所55.comのデータをもとにしたもの。中国人トレーダーらは同国内の取引所で取引することを禁じられているため、アリペイウィチャットを通じて、中国元をテザー(USDT)に変換してトークンを購入している。

中国でスニーカーブランドのインフルエンサーで、ユーチューブで3万8000人超のフォロワーがいるとされるジョージ・ガオ氏はロイターに対し、中国本土のバスケファンのモーリー氏への怒りはかつてないほどになっていると述べている。

あるオーストラリア在住の中国人スニーカーファンは、「政治的要素は私の選択に影響を与える」とも述べている。

一方で、香港フリープレスは10月16日、香港のデモでモーリー氏をサポートするために集まった人たちの写真を公開している。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版