破綻した仮想通貨取引所マウントゴックス(Mt.Gox)の失われたビットコイン(BTC)が返済される可能性を持つ再生計画案へのオンライン投票の期日が迫っている

ブロックストリーム創業者のアダム・バック氏や元マウントゴックスCEOであるマルク・カルプレス氏は、10月8日が締め切りとなるオンライン投票への参加を呼び掛けている。再生計画案が可決されるためには「投票した議決権者の人数の過半数の賛成及び全議決権者の議決権総額の2分の1以上の賛成の両方が必要」だ。

アダム・バック氏は、投票に参加しない場合は計画案への「ノー」と分類されてしまうと注意喚起している。

元CEOのカルプレス氏もツイッターで、再生計画案への投票に参加するように呼び掛けている。

2010年にスタートしたマウントゴックスは、仮想通貨の黎明期において世界最大の取引所の1つだった。しかし2011年のハッキング事件とその後の2014年の経営破綻は、2万4000人近くの債権者に影響を及ぼした。これにより85万BTCが失われた。これは当時の価値で4億6000万ドル、記事執筆時には458億ドルにのぼる。

マウントゴックスは2018年に民事再生手続きに移行。2020年12月に再生計画案は東京地裁に提出され、今年2月に債権者の投票を行うことを発表した

10月8日にオンライン投票の期限を迎えるのに続き、10月20日には債権者集会が開かれる予定だ。債権者は、オンライン投票のほか、書面投票、そして債権者集会に出席しての投票のいずれかで可否の意思を示す。

マウントゴックスで仮想通貨もしくは法定通貨を預けていたユーザーへの弁済は、再生計画案が有効となることが前提となっている。資金は最初に再生計画手続きに割り当てられ、その後債権者が資金を受け取ることになる。

計画案が可決された場合、債権者たちはハッキング事件から10年以上を経て、資金の弁済を受けることになる。

「私は自分のコインを取り戻したいだけだ」と、マウントゴックス債券者の1人であるツイッターユーザーは投稿している。「これを引き出すためにどれだけの時間が掛かったかと思うと、私はうんざりしている」。