ブロックチェーンゲーム「Alien Worlds」でノンファンジブルトークン(NFT)で裏付けられた「カードパック」を売却することで、開発スタジオのDacocoが25万ドルの調達に成功した。このカードパックは12月4日に発売し、2日後にカードパックが完売した。

NFTとは、ブロックチェーン上に記録された固有の値や情報を持った非代替(ノンファンジブル)なトークンだ。

NFTゲーム関係では、サンドボックス(The Sandbox)やデセントラランド(Decentraland)といった企業が、数百万ドル単位での資金調達を行っており、25万ドルはわずかな額に見えるかもしれない。しかし、小規模なスタジオの場合、それは成功につながる資金調達だ。ブロックチェーンゲームメディア『Play to Earn』のロバート・ホーゲンダ―ム氏によると、買い手のためのユニークなインセンティブのセットは、より大きなトレンドになる可能性があるという。

「小規模なゲームを見つけ、早期に投資し、それらが開花するのを期待するのは、仮想通貨投資と非常によく似ている」と、ホーゲンダーム氏は指摘する。「次のマインクラフトに成長し、投資を100倍にするゲームを見つけようとしている」という。

ゲームでは従来からクラウドファンディングの取り組みが行われている。初期段階でコミットするプレイヤーは、ゲーム内のキャラクターにちなんだ報酬やローンチパーティへの招待といった報酬と引き換えに資金を提供するが、NFTを使うゲームでは同じアプローチを実際の投資に変える可能性がある。

「何世紀にわたって土地所有は上流階級の特権だった」と、Alien Worldsの共同創業者のマイケル・イェーツ氏は語る。「現在、仮想通貨では誰もが土地を持つことで不労所得を得ることができる」と述べる

ブロックチェーンゲーム内でのアイテムなどのNFTは、ゲームの人気が高まれば、かなりの売却利益を生み出す可能性がある。Alien Worldsのチームによると、複雑なゲーム内経済では、それらを利回り資産に変えることができるという。

Alien Worldsは、プレイヤー向けにゲーム内のNFTの収益化に取り組んでいるタイトルの1つだが、ホーゲンダ―ム氏は今後はさらにこのようなゲームが増えると考えている。

「開発者にとって、プレイヤーにアセットの所有権を与えるのは奇妙に聞こえるかもしれない。しかし、開発者がゲーム内/オンチェーンのトランザクションの5%を受け取るとなったら、どうだろうか?彼らは新しい収入源を手にすることになるだろう。さらに、開発者はゲームの世界に利害関係を持つコミュニティを作成する。経済的なインセンティブがあることで、エンゲージメントははるかに高くなるだろう」

ただし、新しいトレンドを利用しようとしている開発者は、最初にしっかり調査をするべきだとも、ホーゲンダ―ム氏は指摘する。

「希少性を理解し、それを中心にゲームの経済圏を構築しなくてはならない。そうすれば、プレイヤーが多く時間と労力を費やそうとするゲーム内経済を手に入れることができるだろう」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン