シンガポール中央銀行が国際決済にブロックチェーンを利用することを再確認した。シンガポールの中央銀行にあたるシンガポール金融管理局(MAS)のラヴィ・メノン局長が15日にスピーチを行い、改めてその姿勢を示した。
15日に幕を閉じたフィンテック関連のイベント「マネー20/20 アジア」でのスピーチで、メノン局長は聴衆に対して「プロジェクト・ウビン(Project Ubin)」と呼ばれる同国のブロックチェーン技術のプロジェクトは国際決済の効率を高めるだろうと述べた。
メノン局長は「仮想通貨トークンのおそらく最も重要な使用例は、伝統的な貨幣のクロスボーダー決済を容易にすることだ」と述べ、以下のように説明した。
「シンガポールのプロジェクト・ウビンは次の課題を解決する。
・仲介を介すことなく直接
・より速く効率的に
・より低いリスクとコストで
・ブロックッチェーン技術を使用して、政府の法管轄を越えた決済を相互にできるようにする」
シンガポール政府とMASは共に、ブロックチェーンの可能性について楽観的な姿勢を維持し、仮想通貨ビジネスを可能にする環境を整えてきた。
今年2月、MASのフィンテックの最高責任者が大手メディアに対し、ブロックチェーン技術を活用したプロジェクト・ウビンの開発に関して、「本当の効果」が現れるのは2年後になるだろうと発言した。
メノン局長はスピーチで、カナダ銀行(中央銀行)と手を組んだことを認め、「両国の中央銀行が発行する仮想通貨トークンを使用したクロスボーダーソリューションの実験と開発を行う」と述べた。
ブロックチェーンを利用した送金には、シンガポールの近隣国も強い関心を示している。
日本や韓国が同様の取り組みに関心を示している。銀行と仮想通貨業界とが国際送金で競争する中、韓国の大手取引所ビッサム(Bithumb)と仮想通貨決済サービスを提供する米ビットペイが国際送金市場に参入すると今週発表している。