仮想通貨モネロ(XMR)が直近24時間で一時36%の急落を記録した。バイナンスによる同トークン上場廃止の発表が急落を招いた。
2月6日午後4時の急落を経て、日本時間の2月7日午前4時に100ドル(約15,000円)付近で底を固めると、同日午後2時現在125ドル(約19,000円)付近まで上昇・推移している。
バイナンスは、アラゴン(ANT)、マルチチェーン(MULTI)、ヴァイ(VAI)などのトークンとともに、2024年2月20日にモネロを上場廃止すると2月6日に発表した。
その結果、バイナンスはビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、テザー(USDT)、バイナンス自身のコインであるバイナンスコイン(BNB)に対するモネロの取引ペアを取引停止とする。
「各取引ペアの取引停止後、すべての注文は自動的に取り消される」と発表された。トークンの引き出しは2024年5月20日までサポートされる。上場廃止となったモネロは、2024年5月21日以降自動的にステーブルコインへと変換される可能性があるが「保証されない」とバイナンスは述べている。変換の際にはユーザーに事前に通知され、ユーザーのバイナンスアカウントに入金される。

モネロの上場廃止の決定は「健全で持続可能な仮想通貨エコシステムへの貢献」、「不正行為や詐欺加え過失の証拠」などバイナンスの要求と規約に基づいている。
モネロの価格は上場廃止のニュースに素早く反応し急落した。バイナンスだけでなく他の仮想通貨取引所もモネロの上場廃止を昨年発表している。
2023年末、仮想通貨取引所OKXもモネロとジーキャッシュ(ZEC)を2024年1月5日に上場廃止すると発表した。バイナンスはフランス、イタリアなどの国でプライバシートークンの上場廃止計画を以前発表していたが2023年6月にその決定を撤回した。
Monero dropped strongly on the delisting news from Binance.
— John Brown (@john_j_brown) February 6, 2024
While bad for Monero, I mainly see this delisting as a sign of the slow demise of Binance. They are now "so compliant" that they cannot choose anymore which assets to support.
「上場廃止はモネロだけでなく、バイナンスにとっても悪いニュースだ。今回の上場廃止を受けて、バイナンスのゆっくりとした衰退の兆しを感じた」
と仮想通貨投資家のジョン・ブラウン氏はツイートした。
「近年の仮想通貨取引所はコンプライアンス意識が高く、どの通貨をサポートするのかを決められなくなった」と付け加えた。
2023年末には元バイナンスCEOチャンポン・ジャオ氏が米国の裁判所でマネーロンダリング法と制裁法違反を認めたにもかかわらず、バイナンスへの各国の規制当局の圧力姿勢に変化はない。1月末の報告によると、バイナンス.USはフロリダ州とアラスカ州での運営を禁止された。ジャオ氏はアラブ首長国連邦の自宅への旅行許可を得られず2024年2月23日に米国での判決を受け、最大18ヶ月の懲役を受ける可能性がある。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
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