人の体温で仮想通貨マイニング?オランダの企業が実験

 人間の体温で仮想通貨マイニングができるだろうか。

 こんな(やや滑稽な)問いに答えようとする企業がある。オランダのスペキュレティブキャピタル社だ。

 同社は体温を電気に変換するボディースーツを開発。そしてこの電気を使ってマイニングを行う機器を動かす実験を行った。

 同実験に参加した37人がこのスーツをきて数時間横になったという。

 このスーツは被験者の体温と周囲の室温との温度差を利用して発電する。発電した電力は仮想通貨のマイニング機器へ供給された。

 結果的に、約12.7万ミリワットの電力が得られコンピューターを約8日間(212時間)稼働させた。16594枚の仮想通貨が採掘されたという。

 採掘された仮想通貨はバートコイン(Vertcoin)、スタートコイン(StartCOIN)、ダッシュ(Dash)、リスク(Lisk)、ライトコイン(Litecoin)およびイーサリアム(Ethereum)だった。

 ただしここでイーサリアムを採掘する場合を考えてみよう。お使いのコンピュータにNvidia 1060 6GBグラフィックス・カードが装備されていれば、イーサリアムをマイニングする際に80ワットで19MH / sのハッシュレートを取得することがでる(1stminingrig.comのデータを参照)。そうなると1日にマイニングできるイーサリアムはわずか0.002487ETHに過ぎない。使用する電力量は12万7210ミリワットで、これはボディスーツで発電できた電力量である127ワットとほぼ同じだ。

 つまりアイディア自体は面白いが、今のところ割に合わない。

 しかしこのようなプロジェクトは、技術の境界を押し広げるきっかけとなるかもしれないので、軽視するのはよくない。

太陽光発電でマイニング

 スペキュレティブキャピタル社はマイニング装置への電力供給に他の選択肢はないかと思案している。特に趣味でマイニングするユーザーにとっての選択肢だ。

 日の当たる場所に住んでいれば、最も簡単な選択肢は太陽光発電だ。

 ソーラーパネルは入手しやすくセットアップも簡単だが、インバーターとバッテリーが必要だ。しかし、安定した太陽光の供給があれば、自宅に設置したマイニング装置に電力を供給するのに十分なエネルギーを簡単に作り出すことができる。

 solarpowerrocks.comの計算によると、平均的なソーラーパネルは1時間で250ワットを発電する。4時間たっぷりと太陽光を得られれば、パネルは1000ワットのエネルギーを生み出す。オランダでの実験の8倍のエネルギーだ。

 仮想通貨のブロックチェーンを継続的に検証するマイニングは大きな電力を必要としており、より安価でクリーンなエネルギーの供給源を探し出すことが課題になっている。世界のマイニング事業の累積電力消費量は、アフリカ諸国の電力消費量を超えている。

 ブロックチェーンと仮想通貨は、一般の人に分散化・匿名トランザクションサービスを約束するが、世界中の電力網に及ぼす影響を意識する必要がある。より良い解決策を見つければ、それを使うべきなのだ。

 スペキュレティブキャピタル社などのテクノロジー企業は、仮想通貨空間の新たな道しるべとなっている。将来、代替エネルギー源に注視するマイナーが増えれば大きな成功を収めるはずだ。

 ちなみにこの記事公開の時点で、コインテレグラフはスペキュレティブキャピタル社へ取材リクエストを出しているがまだ回答を得ていない。


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