仮想通貨マイニング装置最大手、ビットメインの呉忌寒(ウー・ジハン)CEOは、海外での新規株式公開(IPO)について「オープン」であると語った。ブルームバーグが7日に報じた。
香港で行われたインタビューで、呉CEOは、香港、もしくは米ドル建ての株式市場でIPOを行えれば、初期に資金を投じた株主が現金化する手段として適しているだろうと述べた。呉氏自身は、ビットメインの株式の28%を保有しているという。
ビットメインの競合であるカナンは先月、香港でIPOを申請したことが明らかになっている。ビットメインの動きは、これに続くものになる可能性がある。
カナンはビットコインのマイニング市場で約15%のシェアをもっている。一方、ビットメインは最大75%のシェアを持っているとみられている。呉CEOは「ビットメインはその競争優位性を維持するために、多大な努力をしている」とブルームバーグに語った。
もしIPOが実現すれば、香港の投資家にとっては、魅力的な案件になる可能性がある。みずほ証券アジアのアナリスト、ケビン・ワン氏は「香港にビットコインのような株式はほとんどないことから、プレミアムを持つことになるだろう」と話す。「しかし、ビジネスの持続可能性については疑問符」とも指摘している。
ビットコインのマイニングは、多大なコストが掛かる一大産業となっている。経済学者の推計によれば、仮想通貨のマイニングによって18年末までに世界の総エネルギーの0.5%を消費するという。